WBC王者の拳四朗が初防衛戦にマツコ・デラックスを招待?!
今回の試合は、ゲバラが高額なファイトマネーを要求してきたため、交渉がなかなか合意に達することができずに、最悪、年末までずれる可能性もあったが、陣営は「10・22」で決まっても、動じないように準備をしてきた。8月下旬には神奈川の茅ヶ崎海岸で走りこみと自重のフィジカルのキャンプを張り、9月9日から17日までは、米ロサンゼルスでのキャンプを慣行した。元WBA・WBC世界S・フェザー級王者、ヘナロ・エルナンデスの兄で名トレーナーとして知られるルディ・エルナンデス氏の指導を受けながら、リオ五輪のライトフライ級のメキシコ代表ボクサーらと連日8ラウンド、計40ラウンドのスパーリングを消化してきた。 「メキシカンとやって凄い練習になった。全然知らなかったパンチの打ち方も学べた」 左アッパーやフックなど、重心を下げて膝を意識して打つ、メキシカン特有の体全体を使ったパンチの打ち方を学び、攻撃に幅が生まれたという。またルディ・トレーナーに「まるでギプスのように固める」バンテージの巻き方まで教えてもらい、当日は、機会があれば、セコンドについてもらいたいともいう。 寺地会長は「八重樫へのボディはたまたまのパンチでしょう。パンチの威力はない。サウスポーだったロペスに比べたらオーソドックスでやりやすい。難しい相手ではない。勝つのはあたり前、倒さないといけない」と、今回のV1戦を通過点と考えている。 確かに挑戦者に一発KOの怖さはないが、遠い距離でボクシングをされリーチを生かしたスイング系のパンチを独特のメキシカンのリズムで打ち込まれると知らないうちにポイントを奪われていく危険性もある。 現在、ライトフライの世界王者は、WBAの田口良一(ワタナベ)、12日の防衛戦で眼下底骨折をして田口との年末の統一戦が絶望的になってしまったWBOの田中恒成(畑中)と日本に3人いる。 拳四朗が、防衛戦の先に見据えるのは統一戦への参戦である。互いに選択試合であることなど、なかなかタイミングが難しいが、3本のベルトをまとめる主役になるためには、マツコ・デラックスがひっくり返るほどのインパクトのある防衛を重ねなければならないだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)