米民主党の連邦下院議員5人に偽の爆弾脅迫 コネチカット州
アメリカ建国の歴史に伴う感謝祭が各地で祝われた28日、コネチカット州から連邦議会下院に選出されている民主党議員5人が、爆弾予告で脅迫されたと明らかにした。ドナルド・トランプ次期大統領が新政権の要職に選んだ数人も、前日までに同様に脅されたことを明らかにしている。 コネチカット州から連邦下院に選ばれている民主党のジャハナ・ヘイズ、ジム・ハイムズ、ジョン・ラーソン、ジョー・コートニー、ローザ・デラウロ各議員は、自分に対する脅迫があったと警察から知らされたことを明らかにした。どの事件でも、実際の爆発物は見つかっていないという。 ヘイズ下院議員はソーシャルメディア「X」に声明を投稿し、同州ウォルコットの地元警察から「午前7時47分に(中略)私の自宅の郵便受けにパイプ爆弾を置いたという脅迫メールを警察が受け取ったと知らされた」と明らかにした。「ウォルコット警察と州警察が対応したところ、爆発も爆発物も発見されず、現場の安全が確認され」たものの、捜査は続いているという。 ヘイズ議員は、捜査当局の「迅速な対応」に感謝し、「この国に政治的暴力の居場所などない」と強調した。 ハイムズ議員も同様に、「家族と感謝祭を祝っていた自宅を狙った、爆弾予告があったことを今朝、知らされた」と書き、警察の迅速な対応の結果、「爆発は確認されなかった」と明らかにした。議員は「この国に政治的暴力はあってはならない」と強調した。 コートニー下院議員の報道担当も地元メディアに声明を発表。議員と妻は「捜査機関の警察官に大いに感謝する」としたうえで、捜査機関の対応は「このような類の脅しは決して容認されないと実行犯に示す」はずだと述べた。 ラーソン下院議員も声明で、迅速な警察の対応に感謝するとともに、「同様の脅しを受けた、コネチカット州選出の連邦議員団の同僚たちが無事で、感謝している」と述べた。 デラウロ議員は「X」で、「コネチカット州選出の連邦議員団の同僚たちと似た形で、爆弾の脅迫を受けた」と公表。「ニューヘイヴン警察の爆弾処理班が対応し、我が家に爆弾がないことを確認した。警察の迅速な対応に感謝し、だれにも被害がなかったのでほっとしている」と書いた。 一連の事件についてBBCは連邦捜査局(FBI)にコメントを求めているが、FBIは応じていない。 26日と27日には、トランプ次期大統領が国防総省、住宅都市開発省、農務省、労働省の各省長官や国連大使などに指名した、少なくとも9人が同様の脅迫の対象になった。 アメリカでは感謝祭のために各地で大勢が帰省したり、家族で集まるために移動することから、交通機関が混雑する。 最近では、同様の偽の脅迫が他の政界有力者にも相次いでいる。被害者の中には、トランプ次期大統領を刑事訴追した検察官や、その裁判を担当した裁判官も含まれている。 昨年にはクリスマスに前後して、アメリカ各地で政治家が「スワッティング」の標的になった。「スワッティング」とは、偽の通報をすることで、攻撃対象の自宅に警察を向かわせる行為のこと。被害に遭ったほとんどが共和党の政治家だったが、民主党の政治家も攻撃された。 (英語記事 Four US House representatives targeted with bomb threats)
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