大阪新年互礼会 関西再生へ向け決意を新たに
IRや2025年大阪万博構想など活発な議論展開
大阪新年互礼会 関西再生へ向け決意を新たに 撮影:岡村雅之 THEPAGE大阪
大阪の政官財合同の大阪新年互礼会が4日、大阪市内のホテルで2300人が参加して開かれ、各界のリーダーたちが関西再生へ向け、決意を新たにした。足元の景況に力強さが感じられない半面、観光需要の好調さを背景に、カジノを含む統合型リゾート(IR)や2025年大阪万博構想など、ビッグプロジェクトが動き始めただけに、会場では活発な議論が展開された。 【拡大写真付き】大阪の酉年は何があった? 堺筋・阪急乗り入れ、駅前第4ビル完成など
松井府知事「東京と大阪のふたつのエンジンで日本をけん引」
壇上には松井一郎府知事、吉村洋文大阪市長、尾崎裕大阪商工会議所会頭ら、行政、議会と関西財界の首脳陣が登壇。 松井知事が代表あいさつで、リニア中央新幹線や北陸新幹線、IR、大阪万博などの主要プロジェクトが動き始めたことを「つぼみがふくらみかけた」と評価。「つぼみを慎重に育て、大阪の花を満開に咲かせたい」と意気込み、「大阪が一丸となって、東京と大阪のふたつのエンジンで日本をけん引しましょう」と呼びかけた。 あいさつに続き、松井知事と吉村市長はそろって報道陣の取材に応じ、今年の抱負を漢字一文字で表現するよう求められた。松井知事が選んだのは「実」で、「政策を確実に実らせたい」との思いからだという。吉村市長は「志」。「市長就任2年目で真価を問われる。市長挑戦の志を再確認し、大胆な市政改革に臨む決意」を託した。
IRと庶民的な串かつで大阪流もてなしを
lR推進の旗振り役を演じてきた関西経済同友会の蔭山秀一代表幹事はIR推進法施行を歓迎した上で、「引き続きIRの大阪誘致を目指していく」と、改めて強調。ギャンブル依存症への懸念に関しては「IR推進法が施行されたことで、依存症問題を含めて真剣な議論をする環境が整った。依存症を防ぐシンガポールなどの先進的事例に学ぶことで、市民に理解されるIR作りが可能だ」と、自信を示した。 同経済同友会や大阪商工会議所の役員として中小企業振興に取り組む更家悠介サラヤ社長は「ハイクラスのIRと合わせて、庶民的な町の串かつ屋などで大阪らしいもてなしを加味すれば、観光客に喜んでもらえるし、中小企業の出番が増える」と、lRと大阪食文化のコラボを提唱。 「居酒屋で3000円も出せば、海外からの観光客と大阪人が一緒に楽しめるようになればいいですね」と続ける。一方、大阪には魅力的なお土産が少ないとして、「クオリティが高い割に価格は割安に抑え、いくつもまとめ買いしてもらえるお土産を開発すべきだろう」と、注文をつけた。 大阪選出の中山泰秀衆院議員は大阪万博に関し、「誘致合戦に勝たなければ、実現できない。健康や長寿がテーマだが、新たにAI(人工知能)をテーマに加えれば、世界的な関心が高まるのではないか」と提案。「大阪だけではなく、関西、西日本を巻き込んで、各分野の優秀な人材に協力を求めてほしい」と、世論喚起の重要性を訴えた。動き始めたビッグプロジェクトを、しっかり軌道に乗せられるか。期待と不安が相半ばする1年になりそうだ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)