ウイリアムズF1チーム、200億円の資本増強で競争力向上を狙う
ウイリアムズ・レーシングは、財務状況を大幅に改善するため、新株1億株の売却を通じて1億ポンド(約196億円)の資本注入を確保したと報じられている。 【写真】2025年からウイリアムズに加入するカルロス・サインツ 『Speedcafe』の報道によるとウイリアムズは、シンガポールGPとアメリカGPの間の10月11日に売却を完了したという。 この多額の資金調達は、ウイリアムズのオーナーであるドリルトン・キャピタルが、同チームのF1における長期的な成功に向けて継続的に取り組んでいることを強調するものだ。 ウイリアムズの広報担当者は、この最新の動きの戦略的な重要性を強調した。 「これらの資本注入は、当社のオーナーであるドリルトン・キャピタルの長期にわたる献身的なサポートを改めて証明するものだ。彼らはウイリアムズ・レーシングがグリッド上位に進出するために必要な投資を提供してくれている」 「ウイリアムズは、人材、プロセス、テクノロジー、インフラに継続的な投資を行っており、大胆なビジョンと豊かな伝統がアレクサンダー・アルボンやカルロス・サインツがチームの未来にコミットする決め手となっている。こうした背景のもと、パドック全体から豊かな才能と経験を持つ多くの人材が我々のミッションに加わっている」 ドリルトンは2020年8月にウイリアムズ家から約1億5200万ポンド(約298億円)でウイリアムズチームを買収し、チームの復活に大きく貢献してきた。 昨年、『Forbes』はウイリアムズの価値を7億5000万ドル(約1142億円)と評価し、同チームをグリッド上で最も価値の低いチームだとした。 しかしながらドリルトンは、F1資産に着実な投資を行ってきており、最近の1億ポンド(約196億円)の株式売却はこれまでで最も多額の資本注入となった。 この資金調達のタイミングは、損失が増大するなかでウイリアムズが財務の安定性を強化する必要性と一致している。チームは最新の2023年度財務諸表で、8420万ポンド(約165億円)の税引き後赤字を報告している。これは前年度の損失から6630万ポンド(約130億円)の大幅増となった。 こうした財政上の課題にもかかわらず、この投資は、チームの上昇軌道に対するドリルトンの自信と、チームの変革に資金を提供するというコミットメントを示すものだ。 ウイリアムズは直近の資金注入により、F1の市場価値の高まりと新たなドライバー陣容を活かし、コース上でより良い結果を確保することを目指している。 この支援により、チームの競争力、インフラ、人材獲得を強化する態勢ができており、チームはコンストラクターズ選手権の順位を現在の8位から上げることを目指している。 [オートスポーツweb 2024年11月01日]