水路でワニガメ見つかる 南房総の千倉地区(千葉県)
「自宅脇の用水路に大きなワニガメがいる」と22日午後1時ごろ、南房総市千倉町の佐藤浩さん(60)から房日新聞に情報提供があった。同日、本紙記者が、水路に大きなワニガメがいるのを確認。23日午前10時ごろに、館山署千倉幹部交番の署員らが駆け付け、3人がかりで捕獲した。 ワニガメは、甲羅の大きさが縦約60センチ、横約50センチ。頭部と尻尾を含めた体長は1メートルを超えると思われ、体重は推定60キロ超だという。 捕獲されたワニガメは、19日午後4時ごろ、浩さんの父、繁美さん(85)が庭木に水を与えていたところ、発見。見たことのない大きさのカメだったので、110番通報したという。 繁美さんによると、ワニガメはほどんど動かずその場にとどまっていたというが、どこかに行ってしまったら探すのもひと苦労だと思い、浩さんが鉄パイプで柵を自作し、設置した。 通報を受けた同署員らが23日に、ワニガメの動きを警戒しながら、1人が頭部を棒で押さえ、2人が背後から押してカメを誘導。犬用の捕獲ポールなどを駆使し、1メートルほどの高さがある用水路から3人がかりで引き揚げ、捕獲。ケージに収めた。 館山署では、保健所などが所有者を特定するか、受け入れ先が見つかるまで、拾得物として一時保管するという。 ワニガメは、人に危害を加える恐れのある「特定動物」で、飼育には県知事などの許可が必要だが、令和2年6月に施行された改正動物保護法で、新たに飼育することは禁止されている。 繁美さんは「見つけたときはびっくりした。どこから来たのかも分からないし、何かあってからでは遅いと思い、通報した。無事に保護してもらえて良かった」と安堵(あんど)の表情を見せていた。