ランクル250は最上級グレードを選ぶべき? 試乗で確認
■ガソリンエンジンもあり? 個人的には、ガソリンエンジンのVXもかなり気になる存在だ。スペックを見る限りはプラドのガソリンエンジンと変わっていないようだが、決して見劣りする性能ではない。 プラドのガソリンエンジンは力不足という意見もあるようだが、最新のランクル250の7人乗りボディと走りが味わえて、ZXよりも190万円(ディーゼルのVXなら85万円)も安価に購入できるとなれば、購入を検討してみる価値は大いにある。ガソリン燃料は軽油よりも高くつくし、燃費も悪い。ただし、長距離をあまり走らないのであれば、ガソリンモデルを選んでもディーゼルモデルより高くつくことはないといわれる。 さらに、高速走行時のエンジン音や振動はガソリンの方が少なくなる傾向にある。平坦な道なら走り出しは滑らかなことも多い。ディーゼルは定期的に排気ガスをクリーンにするための尿素水を補充しなければならないところが手間でもある。 オンロード走行や高速走行がメインで、林道や急な坂道を走る機会があまりないのであれば、ディーゼルはオーバースペック。そうなると、ガソリンエンジンのVXはかなり魅力的だ。
ランクル250はクラシック寄りなデザインでトヨタがいうところの「原点回帰」をうまく形にできていると思う。それでいて走りはパワフルで、緩やかにアクセルを踏み込めばマイルドにも走れる。オンでもオフでも扱いやすい「生活実用」に最適な1台だ。ランクルシリーズの中核モデルとして、長く愛されるモデルになっていくだろう。
■ 室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。
室井大和