「狙えるものは狙いたい」…2発&打率.329で現在“3冠王”のヤクルト村上宗隆は史上最年少の偉業を達成できるのか?
ヤクルトの村上宗隆(22)が20日、バンテリンドームで行われた中日戦で43、44号を放ち、4打数3安打3打点で打率も.329に上げて、横浜DeNAの佐野恵太(27)をわずか1厘上回り、トップに躍り出て“3冠“となった。2004年の松中信彦氏(ソフトバンク)以来となる、史上最年少の3冠王獲得が現実味を帯びてきた。なおチームは7-2で勝ち連敗をストップした。
「これからも、もっともっと打ちたい」
ドラ党で埋まるバンテリンドームをざわめきが包んだ。 2-0で迎えた3回一死。左腕の小笠原がカウント2-2から低めに投じたスライダーをバックスクリーン左へと運ぶ。まさに運ぶという表現がぴったりの43号ソロ。 「追い込まれていたのでなんとか前に飛ばそうと思って振ったら芯に当たったので、いったかなという風に思いました」 狙ったわけではない。反応で中堅122メートルの広いバンテリンドームのバックスクリーンに軽々と放り込むのだから怖い。 そして7回二死二塁の場面でざわめきが衝撃に変わる。 2-1のバッティングカウントから、この打席、変化球オンリーだった小笠原が初めてインハイを狙って投げ込んだ140キロのストレートをまったくブレもせず腕を綺麗にたたんでバットを一閃。強烈な打球はライトスタンドの中段まで飛んでいったのである。 「あのホームランも凄くいいホームラン」 この一発はストレートを狙って打ったのだろう。 試合後のヒーローインタビューで村上は、どちらのホームランが納得か?と聞かれ「どちらもいいホームラン。ホームランになるというのは打席の中でいいスイングができている証拠なので、これからも、もっともっと打ちたいなと思います」と本塁打量産を宣言した。 2本以上の本塁打を放った試合が、これで今季10試合目。44号は、岩村明憲氏が持つ日本人の球団最多記録に並んだ。 だが、村上にとっては通過点に過ぎない。 「そこに並べたのは光栄ですが、ヤクルトには60本打った外国人選手がいますし、まだまだ僕も上を目指して頑張りたい」 60本打った外国人とは2013年に王貞治氏が持っていた55本のシーズン最多本塁打記録を更新したウラディミール・バレンティンだ。