新開発エンジン・3Dガイダンス搭載…コマツが投入、新世代「20トンショベル」の性能
コマツは27日、土木分野の主力機種である20トンショベルをフルモデルチェンジし、新世代油圧ショベル「PC200i―12=写真」として12月1日に国内市場で発売すると発表した。国土交通省が進める建設現場の生産性向上の取り組み「i―コンストラクション2・0」に対応。設計図面通りに施工する3次元(3D)マシンガイダンス機能を標準搭載し、利用度に応じて料金を支払うプランも業界で初めて用意した。 【動画】コマツの新世代油圧ショベル「PC200i―12」 標準搭載した基本機種の消費税抜きの価格は3150万円。建設現場の人手不足や高齢化などの課題解決支援につながる点を訴求し、年間1000台の販売を目指す。また2025年度中には北米や欧州、豪州などでも販売開始を目指す。 新開発のエンジンを搭載し、従来機に比べて燃費効率を20%、作業量を18%、掘削力を7%それぞれ向上した。また今後のソフトウエアの更新や新機能の搭載を遠隔で行える。西浦泰司常務執行役員は、「15年12月から3Dガイダンスで業界をリードしてきた。新機種で3D施工の標準化を目指したい」との意気込みを示した。 新機種の生産は国内では大阪工場(大阪府枚方市)、米国と欧州では現地工場で行う予定。 国交省の直轄工事の3D施工率は23年度が約87%で、25年度は100%に高まるとみられる。コマツは機械のセンサーや全地球航法衛星システム(GNSS)アンテナで把握したバケットの刃先情報を、3D設計データと照合して図面通りの高精度施工が行える利点を訴求する。