10人いれば10通りの育児がある 横浜市大調査報告、つるのさんらも登壇
子育て世帯の悩みや課題に寄り添い、解決策を探るトークショーが17日、横浜市戸塚区民文化センターさくらプラザで開かれた。横浜市立大やNPO法人、企業などでつくる産学官共創ラボが主催する「とつか子育て支援フェスティバル」の一環。参加者は専門家のアドバイスに耳を傾け、育児のヒントを得ていた。 同大の原広司准教授は、市内の子育て世帯を対象に実施した大規模調査「ハマスタディ」の結果を報告。育児時間や労働時間に理想と現実の隔たりがあったことを踏まえ、「子育て世帯が抱える課題や要望を調べ、国や市に伝える役割を果たしたい」と語った。 トークショーには、原准教授のほか、5児の父親で保育士資格を持つタレントのつるの剛士さん、認定NPO法人「こまちぷらす」の森祐美子代表、同大大学院医学研究科の伊藤秀一主任教授が登壇。つるのさんは調査結果について、関わりの「質」も重要だと提起し、「お風呂や寝る前などの少しの時間でも『大好きだよ』とスキンシップを取ることが大切」と呼びかけた。 森代表は親自身が「育児はこうあるべきだ」という固定観念を抱き、力の抜き方も分からず苦しんでいると指摘。「10人いれば10通りの育児がある。いろいろなパターンを知ることで、自分が大切にしたいことを大切にできているときに心が満たされると気付ける」とし、親子が地域の大人と関係を深められる居場所の重要性を強調した。
神奈川新聞社