「前立腺がん」と診断される基準はご存じですか? 検査の内容やPSA値を医師が解説
前立腺がん検診の検査内容は? 検査は日帰り・入院? 費用は保険適用される?
編集部: 前立腺がんの検診は日帰りで受けられるのですか? 新井先生: はい。PSA検査は採血により行われるため、人間ドックや自治体のがん検診でも受けることができ、日帰りで実施可能です。 編集部: 保険は適用になりますか? 新井先生: 自覚症状がなく、検診の一環として前立腺がん検診を受ける場合には自費になります。人間ドックのオプションで前立腺がん検診を追加する場合には、だいたい2000~3000円になります。自治体の前立腺がん検診を利用する場合には、無料~2000円くらいが目安でしょう。 編集部: PSAが高かった場合、どうしたら良いのですか? 新井先生: 前立腺がんが疑われる場合には、前立腺MRI検査や直腸診などを行います。前立腺MRI検査は非常に感度が高く、がんの位置や、浸潤の有無、リンパ節への転移などを調べることができます。また直腸診とは医師が肛門から指を挿入して直腸の壁越しに前立腺を触診する検査です。前立腺の一部は直腸に接しているので、直腸に指を入れて前立腺に触れることで、前立腺にしこりはないかなどが確認できます。 編集部: それらの検査で前立腺がんの疑いが強いとされた場合には? 新井先生: その場合には、前立腺針生検を行います。これはまず、前立腺にまんべんなく12カ所以上針を刺し、さらにMRIや直腸診でがんが疑われるところにも針を追加して組織を採取する検査です。組織を顕微鏡で観察し、がん細胞が見つかった場合には前立腺がんと確定診断されます。 編集部: 針生検は日帰りでもできるのですか? 新井先生: 針生検の方法によって異なります。直腸から針を刺入する場合は麻酔を使わず、日帰りでもできますが、会陰部から針を刺入する場合には麻酔が必要となるので、通常は2~3日入院していただきます。 編集部: 入院が必要なこともあるのですね。 新井先生: はい。特に早期がんの場合には、小さな病変にも針が当たるように針の本数が多くなるため、入院して麻酔下で検査をすることが推奨されています。