サム・ペキンパーの真似で8ミリ映画制作を始めた黒沢清監督が、大学時代に出会った未来の映画作家たち
―― ああ、その話は聞いたことがあります。 黒沢 のちに『高校大パニック』になるんですけどね。 ―― 影響を受けた部分もあったんですかね。 黒沢 まあ、影響というのはないでしょうけど、向こうは向こうで何かシンパシーを感じたんでしょうね。8ミリ映画というのはもちろんもっと前からあったわけですが、8ミリ映画を、特に大学生たちが商業映画まがいのものを作るブームが起こりつつあった時代なんですね。だから、石井聰亙、今は石井岳龍ですけども、彼もその流れに乗って撮り始めたし、僕も気づいたらその流れの中にいたという感じですね。 撮影 藍河兼一 注釈 1)SPP 立教大学の自主映画制作サークル。 <聞き手>こなか・かずや 1963年三重県生まれ。映画監督。小学生の頃から8ミリカメラを廻し始め、数多くの自主映画を撮る。成蹊高校映画研究部、立教大学SPPなどでの自主映画制作を経て、1986年『星空のむこうの国』で商業映画デビュー。1997年、『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』でウルトラシリーズ初監督。以降、監督・特技監督として映画・テレビシリーズ両方でウルトラシリーズに深く関わる。特撮、アニメーション、ドキュメンタリー、TVドラマ、劇映画で幅広く活動中。主な監督作品に、『四月怪談』(1988)、『なぞの転校生』(1998)、『ULTRAMAN』(2004)、『東京少女』(2008)、『VAMP』 (2018)、『Single8』 (2022)、『劇場版シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』(2023)など。 「邦画は全然ダメだ。僕らが8ミリで撮っている方が面白いんじゃないか?」黒沢清監督を動かした“不遜な思い” へ続く
小中 和哉/週刊文春CINEMA オンライン オリジナル
【関連記事】
- 【続きを読む/#2】「邦画は全然ダメだ。僕らが8ミリで撮っている方が面白いんじゃないか?」黒沢清監督を動かした“不遜な思い”
- 【続きを読む/#3】「今思い出しても恥ずかしい」黒沢清監督が初めてプロの現場を体験した沢田研二主演『太陽を盗んだ男』
- 【続きを読む/#4】「こんなものは公開しない」日活が異例の納品拒否した黒沢清監督のロマンポルノ作品が『ドレミファ娘の血は騒ぐ』になったわけ
- 「自主映画から商業デビュー」大林宣彦監督こそが先駆けだった――恭子夫人が語る大学での出会い、二人三脚での映画づくり
- 「彼の作品だけムチャクチャカッコよかった。他の映画と違った」犬童一心監督が今も忘れられない、“あの名監督の大学時代”