ニューヨークで注目の日本人ダンサー・小野由利加さんに学ぶモチベの保ち方とご自愛ケア
ニューヨークを拠点としてダンサー、振付師として活躍している1人の日本人女性がいます。彼女の名前は小野由利加さん。ニューヨークの街角で、片側全面ガラス張りの観光バス『The Ride(ザ・ライド)』の街頭パフォーマーとして、即興のヒップホップダンスで乗客たちを魅了し、注目を集めています。 【写真】「どんな失敗も3ヶ月後には笑い話」ポジティブになれる言葉を教えてくれた小野さん 7月には異なるジャンルで活躍する若い日本人アーティストを応援するプロジェクト『Time Capsule Project』に参加し、脚本から振付、衣装など全てをご自身で手がけたダンス公演『Step Into…』も大盛況。 リンカーンセンター、シカゴ25周年、メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードオープニングナンバーにダンサーとして出演するなど、精力的に活動している小野さん。 注目のダンサー、小野さんにハードな生活、厳しい競争の中でも前向きな気持ちを保つ秘訣、そして私たちでも取り入れられるご自愛ケアをうかがいました! ■本場ニューヨークで踊るということ 大学在学中、就職前に思い切りダンスをやってみようとニューヨークでダンスプログラムに参加したところからダンサーとしての道を歩んでいくことを決めた小野さん。 ――ダンサーになると決めたきっかけはどのようなものだったのですか? 小野さん:「プロダンサーになることを決意したのは21歳の時です。ニューヨークでシアターダンスを受けた際、私はこのダンスが踊りたくて生まれてきたのだ、と思うほどの衝撃を受けたんです。その後6ヶ月のダンスプログラムを受け、ニューヨークでダンサーになりたいと思いました」 ――幼い頃から踊ることや表現することがお好きだったのですか? 小野さん:「そうですね、小さい頃から踊ることが好きでした。家族が撮ったビデオの中に、まだ歩いて間もない頃にTempationの『Get Ready』に合わせてテレビの前で踊る姿が撮られている動画があります。それが最初に踊った時だったかもしれません。 いつもアメリカのミュージカル映画を毎日観て、完コピして家で踊っていました。特に、『ヘアスプレー』、『ハイスクールミュージカル』は私のアメリカへの憧れを底上げしてくれました」 ――ニューヨークはダンスの本場ですよね。オーディションに受かるのも相当大変なことなのではないでしょうか? 小野さん:「去年の12月から働くことができるようになったのですが、私が受けているオーディションはミュージカルシアターのオーディションを受けることが多く、それが毎年1~3月の間にたくさんあるんですね。その際に出す写真と履歴書を70部刷ったのが全部なくなりました。その中でコールバックがあったのは2つ。ニューヨークでダンサーでいることは毎日就職活動をして、ほぼ落とされる毎日を送ることなんです。なので、キャスティングの前で『自分らしさ』を一瞬で見せる必要があります。自分自身を信じる気持ちが一番大事だと思います」 ■自分を信じて…モチベーションを保ち続けるために 「ほぼ落とされる毎日」という厳しい競争の中でダンスを続ける小野さん。心が折れそうになることはないのでしょうか? どのようにモチベーションを保ち続けているのか、教えていただきました! ――オーディションは本当に厳しいものがあるのですね。落ち込んだ時はどのように対処されているのでしょうか。 小野さん:「もちろん、毎日落ち込むことでいっぱいです(笑)。でも、オーディションの結果で落ち込んでいてはメンタルがもちません。次!!! 先方の見る目がなかったんだ!!! というような気持ちで次の日もオーディションに向かいます。 ダンスは私を絶望させる時もありますが、ダンスが私を一番幸せにしてくれるのでそれを忘れないようにしています。好きなことに対してのモチベーションを保つためには、自分が何か特別である、と強く思い続けることが必要なのではないでしょうか」 ■小野さんおすすめの「ご自愛ケア」 日々体のメンテナンスが必要なダンサー。心身ともにタフな小野さんに、おすすめのご自愛ケアを教えていただきました! ――ダンサーとして体型や健康面に気を遣っていらっしゃると思うのですが、どのような食事をとるように意識されていますか? 私たちにも何かヒントになればうれしいのですが。 小野さん:「基本的にお米とタンパク質をなるべく摂るようにしています。 夏になってからは豆腐ですね。食事毎に豆腐に醤油と鰹節をかけたものを食べて、タンパク質を先に摂取しています! 特にサプリなどは使用していないのですが、これで毎日元気に過ごせていると思います。気をつけすぎていてもストレスになると思うので、食べたいものが自分に足りていないものかも、と思ってその時食べたいもの、好きなものを食べるのが一番だと思います」 ――ちなみに「レタスクラブ」読者に向けてニューヨークのおすすめの食べ物を教えてください! 小野さん:「唯一日本で食べるご飯より美味しい料理の一つだと思っているのがタイ料理です。特にパッシーユー(平打ち麺料理)やパッタイ(タイ風焼きそば)がおすすめです!」 ――ダンサーということで体を動かすことがお得意だと思うのですが、私たちにも真似できる簡単なストレッチや、気持ちがリフレッシュできるような「ご自愛ケア」を教えていただけますか? 小野さん:「肩周りがこってしまう、という方も多いと思うのですが、そんな方は胸の上のあたりをじっくりマッサージしたり、朝一番で、肩周りを大きくまわすことですっきりとした1日を過ごすことができると思います。 あとは、例えば自分の好きなアニメや曲に合わせて自由に無我夢中になって身体を動かすこともおすすめです。私はこれで大抵の悩みがなくなりました(笑)。お子さんや家族、パートナーと一緒に体を動かすと気分も変わっていいかもしれません」 ――元気になれる、おすすめの映画があれば教えていただけますか。 小野さん:「『ヘアスプレー』ですね。私はこの映画をみてエンターテインメントの世界に入りたいと思ったので。アメリカへの憧れが募った作品でもあります。元気が出ない時に見ると、もう一度頑張ろう!と思えます」 ――この先どのようなダンサーになりたいと思っていらっしゃいますか? 小野さん:「ダンスを踊った時にもう一度ダンスが観たいと思ってもらえるダンサーですね。夢はブロードウェイに立つこと!! また、今回自主公演を制作したことで、クリエイティブサイドでも活躍したいと思っています。今は和をコンセプトにしたショーを制作しようと模索しています」 ――好きな言葉とその理由も教えていただけますでしょうか。 小野さん:「どんな失敗も3ヶ月後には笑い話。 失敗を恐れずにやらないよりは、失敗してでもやったほうがいいと思っているので、どんなことでも挑戦することを忘れないようにしています」 小野さんの言葉からは失敗を恐れずポジティブに挑戦し続ける彼女の芯の強さ、そして美しさが感じられました。いつかブロードウェイの舞台で踊っている小野さんのキラキラと輝く姿を見ることができることでしょう。小野さん、ありがとうございました! 小野由利加(Instagram:@ulikaxx) 東京都出身。ニューヨークを拠点とするダンサー、コレオグラファー(振り付け)。リンカーンセンター、シカゴ25周年、メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードオープニングナンバーにダンサーとして出演。2019年にはWorld of Dance世界大会にチームで出場し、Crowd Favorite賞(日本で言うオーディエンス賞)を受賞。Broadway Dance Center、Stepsで学び、AMDA(The American Musical & Doramatic Academy)を卒業。現在、『The Ride』という観光バス型エンターテインメント、日本のコメディスタイルを取り入れた『BATSU』でパフォーマーとして活動している。 【レタスクラブ編集部mm】