【解説】「金利」「円安」の今後は…日銀“長期国債買い入れ減額”方針決定
■植田総裁は何を語った?
森キャスター 「そして3つ目のポイントです。植田総裁は会見で、円安についてどう語ったのでしょうか?」 渡邊記者 「日銀はそもそも『物価の番人』とも呼ばれます。円安が進んだだけでは動けないのですが、植田総裁は会見で『円安は物価の上振れ要因である』と述べたほか、次回7月の会合で国債買い入れの計画を示す予定ですが、これと同時に、金利を上げることも『経済物価情勢次第では当然あり得る』と述べました。これはどちらも理論的には、円高要因になるので、かなり強く為替市場をけん制した印象です」 「ただ一方、決定後に円安が進んだことへの受け止めについて、植田総裁は複数回聞かれましたが、明確な返答を避けました。前回4月の会見では、植田総裁の発言が円安容認と受け止められて、その後、円安が急速に進んだ経緯がありましたので、今回、円安については相当慎重に言葉を選んでいた印象です。まだしばらくは、日銀は為替の動きに悩まされる展開が続きそうです」