優れたアイデア産出法「ブレインストーミング」。その効果を最大限に発揮するために守るべき<四つのルール>とは
「メタ認知」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「メタ」とは「高次の」という意味で、つまり認知(記憶、学習、思考など)を、高い視点からさらに認知することを指します。三宮真智子大阪大学・鳴門教育大学名誉教授によれば「メタ認知は自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる<もうひとりの自分>。活用次第で頭の使い方がグッとよくなる」だそう。先生の著書『メタ認知』をもとにした本連載で、あなたの脳のパフォーマンスを最大限に発揮させる方法を伝授します! 【書影】三宮先生が「頭」をよりよくする方法を伝授!『メタ認知』 * * * * * * * ◆「ブレインストーミング法」とは 私たちは、他者との関わりの中で知的な刺激を受けます。そのため、常にひとりで考えるよりも、時折、他の人とのやりとりを組み込むことで、頭の働きを活性化することができます。 他者とともにアイデアを出し合う発想法としてよく知られるものに、「ブレインストーミング法」があります。 ブレインストーミング法は通常、グループで行うものですが、次の四つのルールを守らなければなりません*1。 (1)できるだけ多くのアイデアを出す (2)自由奔放な考えを尊重する (3)出されたアイデアを批判しない (4)アイデア同士を結合し改善する
◆ブレインストーミングを行う際のポイント ブレインストーミングを行う際には、社会的地位がほぼ横並びになるようなメンバー構成がよいとされています。もしも地位の高い人がグループに交じっていると、それ以外の人は遠慮して、自由に発言しにくくなるからです。 これに加えて、ブレインストーミングが効果的に行われるためには、安心してものが言える雰囲気が必要です。 「こんなことを言って大丈夫だろうか、変な人だと思われないだろうか」といった不安が少しでもあると、創造的なアイデアはなかなか出せなくなります。 まずは、本当に何を言っても大丈夫だ、受け入れてもらえるという安心感を持てることが大切です。メタ認知を働かせてこうした条件を満たす時、ブレインストーミング法は、非常に効果的なアイデア産出法となります。