センバツ2023 四国4校に春(その2止) 出場校プロフィルとチーム紹介 /徳島
◆英明(香川) 5年ぶり3回目 ◇夏の全国も出場 1917年に明善高等女学校として創立。2001年の男女共学化に伴い、英明に改称した。特別進学、進学、情報、総合、一部で遠隔授業を導入したワンステップ――の普通科5コースに分かれ、1343人が学んでいる。 校訓は「自主」「責任」「礼儀」。社会の変化に適応して生きる知恵と力を身につけ、高い倫理観と自主的な行動力を持つ人間の育成を目標としている。 野球部は05年に創部し、現在の部員数は28人。夏の全国選手権にも2回出場し、11年夏に甲子園初勝利。同校卒業生には陸上世界選手権ベルリン大会(09年)女子走り幅跳び日本代表の桝見咲智子さんがいる。 高松市亀岡町1の10(087・833・3737)。 創部19年目で3回目のセンバツ切符をつかんだ。昨秋の香川県大会では3回戦以降の接戦を勝ち抜き、2年連続5回目の制覇。11年連続の出場だった四国大会では宇和島東(愛媛)、高知を降して、決勝に進出。県大会に続いて高松商を破り、8年ぶり2回目の優勝を飾った。 香川純平監督は「派手さはないチーム。目の前のプレーを一つ一つ着実に行って戦う」。中浦浩志朗主将(2年)は「個性的な部員がそろうが、チームの目標は同じ。夏の甲子園にもつながる結果を出す」と力を込める。 ◆高松商(香川) 4年ぶり28回目 ◇OBに水原茂氏 1900年に高松市立高松商業学校として創立。商業科、情報数理科、英語実務科に分かれる全日制課程は881人(男子343人、女子538人)、商業科のみの定時制課程は20人(男子12人、女子8人)が学んでいる。 野球部は1909年に創部し、現在の部員は49人。夏の甲子園にも22回出場し、2022年は8強入りした。全国優勝は春2回、夏2回。野球部OBにはプロ野球・巨人で監督も務めた故・水原茂氏らがいる。22年秋のプロ野球ドラフト会議では浅野翔吾選手が巨人の1位指名を受けた。 女子ハンドボール部や書道部など、他の部活動も盛んだ。 高松市松島町1の18の54(087・833・1971)。 昨秋の香川県大会では準決勝までの4試合全てで6得点以上を奪い、決勝は2―4で英明に敗れたものの準優勝を果たした。2年ぶりの出場となった四国大会は徳島商、明徳義塾(高知)、鳴門(徳島)を降して決勝に進出。県大会に続いて英明に敗れたものの伝統校の強さを見せた。 長尾健司監督は「目の前のアウトを確実にとって、ワンプレーに全力を尽くす野球をやりたい」。横井亮太主将は「高商伝統の守備からリズムを作ることを意識し、しっかり守ってワンチャンスをものにしたい」と話し、選手たちは冬の厳しい練習に取り組んでいる。 ◆高知(高知) 2年連続20回目 ◇OBに阪神・森木ら 1899年、江陽学舎として創立。1948年に新制の城東高となり、56年に高知高と改称された。運動部の生徒が通うスポーツ進学▽勉学と部活動を両立させる文理▽国公立大学や私立難関大学などを目指す特進――の3コースで約600人が学んでいる。 運営する学校法人高知学園は幼稚園、小中高校、短大、大学、専門学校などを設置。建学の精神は「信頼される人物の育成」で、社会に貢献する人材の育成を目指している。 野球部は26年創部で、甲子園にはこれまで春19回、夏13回出場。64年夏と75年春に優勝を果たした。OBにプロ野球・阪神の森木大智投手や中日の木下拓哉捕手ら。高知市北端町100(088・840・1111)。 昨秋の高知県大会では3試合連続の零封勝ち。決勝は明徳義塾に2―6で敗れたが、準優勝を果たした。3年連続の出場となった四国大会では尽誠学園(香川)、今治西(愛媛)に快勝して準決勝に進出。優勝した英明(香川)に敗れたものの、攻守の要である門野結大(ゆうと)選手(2年)をけがで欠く中で高い総合力を示した。 2022年のセンバツは、2回戦で敗退。浜口佳久監督は「『去年の代を超える』という目標を立てて練習してきた。8強以上を目指したい」、西村侑真主将(2年)は「練習でやれることをやりきり、100%の力を発揮できるようにしたい」と力を込める。 ◆城東(徳島) 初出場 ◇1949年に共学化 1902年に高等女学校として開校した県立高。49年に女子校から共学となった。「雄々しき渭山 朝に仰ぎ」で始まる校歌を校訓代わりとする。普通科のみで、全校生徒は826人。 野球部(硬式)は96年創部。2019年秋の徳島県大会で3位に入り、初出場した四国大会で1勝を挙げた。部員数は女子マネジャー1人を含めて13人。部訓は「野球人である前に模範的な生徒であれ」。グラウンドとともに練習場所として使う吉野川河川敷運動広場の清掃活動を続けている。 ラグビー部、男子バスケットボール部なども全国大会に出場する強豪。卒業生に瀬戸内寂聴さん(故人)ら。 徳島市中徳島町1の5(088・653・9111)。 徳島県大会では頻繁に上位に進出するが、現在の選手数はわずか12人。県内屈指の進学校であり練習時間も限られるが、練習メニューの多くを選手自らが考案するなど工夫を凝らし、文武両道に努めている。 昨秋の県大会では3試合連続で8点以上を奪って4強入り。準決勝で鳴門渦潮、第3代表決定戦では徳島商に敗れ、四国大会出場をあと一歩のところで逃した。 森本凱斗(かいと)主将(2年)は「甲子園ではどんどん走って、しっかりと守備からリズムを作って勝つことを目標にプレーしたい」と意気込む。