トランプ氏、再びグリーンランド購入に意欲示す-安保上重要と指摘
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領はデンマークの自治領グリーンランドについて、米国が所有し、管理することは「国家安全保障にとって絶対に必要」だと述べ、同島を購入することに依然として関心を抱いていることを示唆した。
トランプ氏は2019年、世界最大の島であるグリーンランドの購入を提案。当時、デンマークから即座に拒否され、両国の関係が悪化していた経緯がある。
トランプ氏は22日、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「国家安全保障と世界の自由のために、米国はグリーンランドの所有と管理が絶対的に必要だと感じている」と述べた。
グリーンランドには米国の空軍基地とレーダー基地があり、米国の国防戦略上、すでに極めて重要な地域だ。またウクライナでの戦争により、米国と北大西洋条約機構(NATO)にとっては、北極海と北大西洋の間という戦略的要所に位置するグリーンランドの軍事的な重要性が劇的に高まっている。
トランプ氏は、ペイパル共同創業者のケン・ハウリー氏を米国の駐デンマーク大使に指名するにあたり、グリーンランドに関する発言を行った。ハウリー氏は「米国、デンマーク、グリーンランドの絆を深める」ために尽力するとソーシャルメディア、X(旧ツイッター)への投稿で述べた。同氏は第一次トランプ政権下で2019-21年まで駐スウェーデン大使を務めていた。
グリーンランド自治政府のエーエデ首相はトランプ氏の発言に対して「グリーンランドは売り物ではないし、今後も決して売り物にはならない」と電子メールで述べた。ただ、他国との協力や貿易には前向きだと続けた。
トランプ氏は同日、パナマ運河の通航料が高すぎるとして、料金を引き下げなければ運河を米国に返還すべきと主張。これまでカナダは米国の51番目の州になるべきだとも述べている。
原題:Trump Reiterates He Wants to Buy Greenland for US Security (1)(抜粋)