65歳以上世帯「平均貯蓄額」はいくら?毎月2万円の赤字…上昇するシニアの就業率から老後対策を考える
65歳以上世帯の「就業率」と「平均給与」はいくら?
定年年齢の引き上げや定年制度の廃止、さらに70歳までの雇用機会確保が企業の努力義務となるなど、シニアの労働環境は大きく変化しています。 現在のシニア世代の就業率と働くシニアの平均給与も見ておきましょう。 ●就業率は上昇傾向 内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、シニアの就業率は年々上昇しています。 60~64歳までの就業率は73%、65歳~69歳までの就業率は50.8%です。 また70歳以上でも、約34%と多くのシニアが働いています。 ●65歳~69歳の平均給与 2023年9月27日に発表された国税庁「民間給与実態統計調査」より、65歳~69歳の平均給与を見てみましょう。 65~69歳の平均給与 ・男性:428万円 ・女性:227万円 ・男女全体:342万円 男性においては日本の平均年収となる458万円に近い水準となっています。 就業率を見る限り、一昔前とは違いシニアが働きやすい環境にあるといえます。 しかし、健康面や体力面を考慮すると、労働収入を老後対策の一つとしてライフプランを立てるのはリスクが高いといえるでしょう。労働収入以外のもので資金を確保しておきたいものです。
65歳以上世帯の「生活費」はいくら?
最後に、年金暮らしを送るシニア世帯の毎月の生活費も見ておきましょう。 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支は次のとおりです。 ●生活費:65歳以上「無職夫婦のみ世帯」家計の収支 実収入:24万6237円(うち社会保障給付:22万418円) 支出合計:26万8508円 ・消費支出:23万6696円 ・非消費支出:3万1812円 【消費支出の内訳】 ・食料:6万7776円 ・住居:1万5578円 ・光熱・水道:2万2611円 ・家具・家具用品:1万371円 ・被服及び履物:5003円 ・保健医療:1万5681円 ・交通・通信:2万8878円 ・教育:3円 ・教養・娯楽:2万1365円 ・その他:4万9430円 支出の合計は26万8508円となりました。 65歳以上の無職夫婦世帯の平均的な収入と支出では、毎月2万2271円の赤字となります。 毎月2万円程度であれば、食費や交際費などを節約して赤字がでないようにできるかもしれません。 しかし、物価が上昇すれば対応しきれなくなるでしょう。 老後に向けて少しずつ生活のダウンサイジングをしながら、赤字や突発的な出費に対応できる資金の準備を進めておきたいものです。