65歳以上世帯「平均貯蓄額」はいくら?毎月2万円の赤字…上昇するシニアの就業率から老後対策を考える
2023年も残り2週間ちょっと、となりました。 筆者は以前、信用金庫に勤めていました。この時期になると、年末年始はお金に関する相談が多かったことを思い出します。 【年金の一覧表】国民年金&厚生年金の平均月額はこちら 普段、なかなか銀行に足を運べない現役世代、帰省されたお子さまに資産状況を伝えておきたいシニア世代にとって、年末年始はゆっくりお金に向き合う良い機会になっているようです。 本記事では、年金受給開始年齢となる「65歳」からの懐事情を「貯蓄額・年金収入・労働収入・生活費」に関するデータより眺めていきます。 セカンドライフをイメージしながら、老後対策について考えていきましょう。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
65歳以上世帯の「平均貯蓄額」はいくら?
まずは65歳以上の貯蓄額を見ていきます。 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上世帯のうち「二人以上世帯」の貯蓄額平均は2414万円となりました。 ただし、より実態に近い数値とされる中央値は1677万円です。 棒グラフを細かく見ていくと、1000万円未満が35.9%。2000万円以上が42.5%と貯蓄格差が大きいことが分かります。 つづいて、65歳以上の収入について見ていきましょう。
65歳以上世帯の「収入」はいくら?
一般的に、老後は公的年金が収入の柱となりますので、「厚生年金」や「国民年金」の月額平均を確認しましょう。 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末時点の老齢年金の平均年金月額は次のとおりです。 【厚生年金の平均月額】 ・男性平均月額:16万3380円 ・女性平均月額:10万4686円 ※上記の厚生年金受給額には国民年金(基礎年金)部分を含む。 会社員や公務員だった方が受け取れる厚生年金の平均年金月額は、14万3965円です。 上図を見ていただくとお分かりのとおり、男女差や個人差が大きくみられます。 厚生年金の年金額は、現役時代の給与や賞与などの報酬額により決定する保険料と年金加入期間が影響する仕組みです。 厚生年金に加入する期間が長いほど、また加入期間中の収入が高いほど、将来受け取る年金額が高くなることを理解しておきましょう。 【国民年金の平均月額】 同資料より、国民年金の平均年金月額も確認していきます。 自営業や専業主婦などで一度も厚生年金に加入しなかった方は、老後に国民年金のみを受け取ることになります。 ・男性平均月額:5万9013円 ・女性平均月額:5万4346円 国民年金の平均月額は5万6368円。こちらは男女の差がほとんど見られません。 国民年金は全員一律の保険料を納めます。 20歳~60歳未満の40年間、全ての保険料を納めれば満額、未納がある場合は満額からその分減額される仕組みです。 ご参考までに2023年度の国民年金の満額は月額6万6250円です(67歳以下の新規裁定者の場合)。 収入が国民年金のみの場合、私的年金や労働による収入、貯蓄の取り崩しなどを想定して準備をしておく必要があるでしょう。