五輪候補不在の豪州に痛い敗戦を喫した男子日本代表、河村勇輝の厳しい自己評価「出場した19分でできたことはほとんどなかった」
「ワールドカップの時よりすべてのスキルでレベルアップをしていかないと」
日本は相手に39本ものフリースローを与えた。このファウルの多さに象徴されるディフェンスの遂行力の低さなど、いろいろな部分で課題が浮き彫りになった。しかし、収穫も少なからずある。中でも、パリ五輪に向けて導入を目指す新しいプレーを実戦で試し、今後に向けて価値ある情報を得られたことは大きい。 河村は言う。「ワールドカップと同じようなコールプレーだと相手に対策されてしまいます。その中でトムさんが新しいコールを考えましたが、チーム練習ではお互いにどんなプレーか分かっています。相手がどんなディフェンスをしてくるの分からない状態でコールした時、そのプレーがうまくいくのか、いかないのか。相手が対応してきた時、僕たちがどうアジャストしていくかは、オーストラリア戦、(7月の)韓国戦と、強化試合でやるべきことです。うまくいかないこともありましたが、それもまた1つの収穫になったと思います」 ワールドカップ2023の前、河村は世界のバスケ界において無印だった。しかし、大会で平均13.6得点、7.6アシストと大暴れしたことで、当然のように今は相手から真っ先に対策を講じられる存在となった。日本がパリ五輪で目標の決勝トーナメント進出を果たすには、そういった厳しいマークを受けながらも、河村が1年前と同等のハイパフォーマンスで日本のアップテンポなバスケットを演出することが必要だ。 パリ五輪で再び世界に衝撃を与えるため、河村は「とにかくトムさんに求められることをより高いレベルで遂行できるポイントカードでありたいです。そのためにはアシスト、得点を取るタイミング、ゲームマネジメント。ディフェンスでは特にオンボールでのプレッシャーなど、ワールドカップの時よりすべてのスキルをレベルアップしていかないといけない」と、自分に高いハードルを課す。 そして本日の2試合目に向け、強い決意を語った。「今日に関して言えば、やはり自分の強みだったり、また一緒に出てるチームメートの強みを生かすこともできなくて、ポイントガードとして良いプレーができなかったです。明日は必ず勝って、僕自身もチームの勝利に貢献できるように頑張りたいなと思います」 河村が消化不良に終わった初戦を払拭するパフォーマンスを見せることができれば、第2戦は内容と結果の両方が伴ってくるはずだ。
鈴木栄一