AIを使わない日本人、注目の技術“自律型AI”で利用は広がるか
富士通はまた、生成AIの問題点を探し出す“自律型AIエージェント”も開発しています。 生成AIに車の盗み方を質問すると、回答を拒否します。生成AIは通常、悪意を含む質問に答えないようプログラミングされているからです。しかし、悪意を隠し巧妙に質問することで、AIが答えてしまうことがあり得ます。富士通のAIエージェントは、生成AIのこのような弱点を見つけ出すことができるといいます。
今後、AIはどのようになっていくのか。富士通研究所所長の岡本青史さんに聞きました。 「(2024年は)社会生活のいろいろなところにAIが影響を与えた年だと考えている。ノーベル賞もAIで受賞と非常に画期的な年だった」「一方でAIに対するセキュリティーやAIが引き起こす電力問題など、イノベーションだけではなくて社会課題を作り出しているということが露呈した一年だった」「2025年はAIエージェントによって、AIが引き起こす問題、偽情報や、あるいは電力問題だったり、そういうものを(AIで)解決していく」
■一人ひとりにカスタマイズ
人工知能学会の会長で慶応大学教授の栗原さんも、これからのAIとして自律型AI、特に利用者一人ひとりに合わせてカスタマイズされるAI技術に注目しています。 「すべての人間は個性・くせがある。人工知能もいかに自分のことを理解するか。一人ひとりが自分専用のAIを持つ。自分にひとつドラえもんじゃないけれど、それが常に自分といっしょにいることによって、僕自身が何をしたいのか、ちゃんと理解してくれて先回りする。自律化の研究と合わせて、個人適用が進んでいくだろう」 こうなると、現状生成AIに奥手な日本人にも利用は広がっていくかもしれません。