不調・香川のインサイドハーフは成功するか
インサイドハーフにはハノーヴァーでの好パフォーマンスが評価されてワールドカップ以来となる復帰を果たした清武弘嗣、代表デビュー戦でゴールを決めた若手の成長株・柴崎岳(鹿島アントラーズ)もスタンバイしている。それでも、元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は「香川が思った通りにプレーすればいい」と背番号10を不安視する声を一蹴する。 「ゴールを決めていない、調子が悪いんじゃないか、ドルトムントもブンデスリーガで低迷していると、おそらくいろいろな方面から言われていると思うけど、それはしかたのないことなんだとある意味で覚悟を決めなければいけない。言われるだけの地位や立場というものを、自分の力で実績を積み重ねながら築き上げてきたがいまの香川なので。本田や長友たちとちょっと異なり、現状に対する思いが表情に出やすい選手だからあれこれと言われる。それでも代表に招集され、試合にも先発で出場しているのだから、周囲が考えるほど悪い状態ではないと思う。アギーレ監督から期待されている、それだけのポテンシャルをもっているととらえて、過去を振り返ることなく自分を信じてプレーするしかない」 ザックジャパン時代の左サイド、ドルトムントでのトップ下と異なり、アギーレジャパンにおけるインサイドハーフは求められる仕事が多岐にわたる。豊富な運動量をベースに、90分間を通して攻撃だけでなく守備にも絡み続けなければならない。 アギーレ監督が掲げる「4‐3‐3システム」を含めて、日本人には馴染みの薄いポジションと言える。だからこそ、スタートポジションだけは徹底した上で、あとは試合の流れに応じて選手たちがピッチの上で考えを巡らせる臨機応変さが求められる。 実際、ガンバでのボランチからポジションをひとつ上げながら、アギーレジャパンにおける初陣となった11月のホンジュラス代表戦でゴールまで決めた遠藤はこう語っている。 「(香川)真司も自由に動くタイプなので、スタートポジション以外は形を決めずに自由にやりました」