正ガードとして戦い抜いた宮崎早織が抱いていた思い…「星と一緒に戦いたかったし、頑張りたかった」
吉田、本橋と頼もしい先輩たちの支えで奮起
「ハンガリー戦で選択ミスをしてしまったということで、すごく自分を責めていたのですが、リュウさん(吉田亜沙美/アイシンウィングス)やチームメートにうれしい言葉をかけてもらって気持ちを切り替えることができたので、本当にそれが生きたのではないかなと思います」 2月11日(現地時間)、「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」の最終戦でカナダに勝利し、パリオリンピックの出場権を獲得した女子日本代表。この試合で16得点4アシストを挙げた司令塔の宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)は、試合での自身の出来にこのように語った。 宮崎の言うハンガリー戦とは、OQTの2戦目(現地時間2月9日に)のこと。1戦目のスペインに勝利していた日本にとって2戦目はパリオリンピック出場に王手を懸けた状況だったが、試合終盤は追う形となる。すると、残り1分を切って2点ビハインドのタイミングで宮崎が3ポイントシュートを放ったが、枠を捉えることはなく。その後はフリースローからの失点もあって75-81で敗れた。 この3ポイントシュートについて、選択を間違えたと悔やんだ宮崎は「(試合後も)結構落ち込んでいた」という。それこそ、「夜ご飯のときもずっとその話をしていたら、リュウさんから『うるさいっ』と何回も言われて(笑)。でも、もっといい選択肢はあったんじゃないかと思うと、ガードとしてすごくそこは苦しかったですね」と、悔恨の言葉を述べた。 ただ、先にも挙げたように、落ち込んだ状態から立ち直れたのは司令塔の先輩の存在が大きかった。中でも「その前に攻めていたのはユラ(宮崎)だったし、自分が選んだ選択肢。(シュートを)打たないで後悔するよりは打って後悔する方がよかったと思う。でも、2ポイントという選択肢もあったよね」と、ENEOSでチームメートだった吉田の言葉には「あ、そうだなと思って。すごく私の胸には響きました」という。 メインのポイントガードとして日本を引っ張る重圧は計り知れない。「東京オリンピックの後で期待も大きかった分、苦しかったですね」と、宮崎も本音をもらす。しかし、「でも、楽しかったです」と発すると、同時に「ナコさん(本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)とリュウさんがずっと声をかけてくれたことは私の中ですごく心強かったです。2人と一緒に切符をつかめたことはいろいろな思いがあります」と、ポイントガードの先輩たちへの感謝の言葉も忘れなかった。