佐々木朗希 ロッテに別れ「熱い声援、厳しい激励も力に変えて」ファン感で語ったメジャーへの覚悟
ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指すロッテ・佐々木朗希投手(23)が17日、ZOZOマリンスタジアムでファン感謝デー「MARINES FAN FEST 2024」に参加し、移籍容認後初めての肉声で決意表明した。イベントでMVPに輝くなど“最後の時間”を満喫。温かい拍手や激励を受けて「令和の怪物」が笑顔で本拠地ファンに別れを告げた。 佐々木は和やかな雰囲気でマイクを持った。開会のあいさつに立った吉井監督から「来シーズンからマリーンズを飛び出して、高みに挑戦する選手が1人います。そうです。朗希です。朗希、出てきて」と促され、感謝と決意を言葉にした。 「今回、球団に後押ししていただき、メジャーに挑戦することになりました。5年間、熱いご声援ありがとうございました。ケガなどで、なかなかうまくいかず、つらい時もあったんですけど、監督、コーチ、チームメート、スタッフ、たくさんの方に支えられ、乗り越えることができました。今回これまで頂いた、熱いご声援、厳しい激励も力に変えてアメリカで頑張ってきます」 在籍5年。今季は初の2桁到達の10勝を挙げた一方、年間通して先発ローテーションを守ったことはない。リーグ優勝もなく、「25歳ルール」のためポスティングシステム利用を容認した球団に入る譲渡金も限られる。時期尚早という批判があることを自覚するからこそ「厳しい激励」という表現を使った。 ブーイングなどはなく、温かい拍手が起き「頑張れよ~」「応援してるよ~」の声も届いた。この“空気感”をつくったのは吉井監督の親心だ。自らのあいさつから佐々木につなぐことを運営側に提案し、ファンに対しても「挑戦する若い選手は応援したい。心から温かく送り出したい」と訴えた。 21年3月12日の実戦デビューや22年4月10日の完全試合など、期間は短くても、強烈な足跡を残したZOZOマリン。観衆2万9101人の前で最後まで主役だった。 「以心伝心対決」ゲームでは珍回答で沸かせ、写真撮影会ではファンと直接交流。「白黒野球対決」では円陣で「マリーンズのユニホームで最後の試合になると思うので、しっかり勝って送り出してほしい」と鼓舞した。2安打3打点で「TEAM BLACK」の勝利に貢献してMVPを獲得。「とてもいい思い出ができました」とかみしめた。 ポスティング申請は12月中旬には完了する見込み。全30球団の参戦も予想される争奪戦の行方は…。23歳の挑戦へ、本拠地を巣立った。(大内 辰祐)