【富有柿の農家がダブルピンチ】猛暑による日焼けとカメムシによる食害に見舞われ危機直面 柿の生産量の3~4割に影響か、出荷量減少の可能性も 岐阜県瑞穂市の名産「富有柿」
岐阜県瑞穂市が発祥の「富有柿(ふゆうがき)」。とても甘いのが特徴です。 その瑞穂市の柿農園「せっきーファーム」では、柿はまだ成熟して色づく前ですが、今年はダブルパンチに見舞われ、危機に直面しています。
2015年からは富有柿を多くの人に知ってもらおうと、ハロウィンでおなじみのカボチャのキャラクター「ジャック・オー・ランタン」を模した「ハロウィン柿」も商品化しました。
ところが、今年は猛暑の影響で、富有柿に被害が……。 農園を運営する関谷英樹さんによると、収穫前の柿に日焼けの症状が表れてしまっているというのです。
関谷英樹さん: 「猛暑の影響で光が強すぎて、この部分だけが色が変わってしまいました。成熟して色づいたのではなく、日焼けによって一部が赤くなっている柿は、出荷できません」 生産した柿の1割ほどが、猛暑による日焼けの影響を受けています。
カメムシによる被害も、柿の出荷に追い撃ちをかける
さらに、関谷さんに追い撃ちをかける状況があります。 関谷英樹さん: 「パッと見てこんなふうに黒くなっているのは、カメムシに吸われた跡ですね」
岐阜県によると、今年は春先からカメムシの発生量が多く、多い所では例年の30倍ほどの 発生量だということです。 カメムシが増加した理由としては、暖冬の影響で越冬するカメムシの成虫が増えた上に、春先にエサが豊富にあったために多く繁殖したといいます。 関谷英樹さん: 「7月ぐらいから結構目立ち始めて、9月に入ってからかなり被害が出てきてますね」
猛暑による日焼けに加え、カメムシによる被害も生産量の1割ほどに及びます。消毒などの対策も行っていますが限界があり、関谷さんは今後の被害の広がりを懸念しています。 関谷英樹さん: 「今後、収穫が本格化する11月までに、全体でおそらく2割、3割ぐらいの被害が出ると予測してます」
関谷英樹さん: 「僕が柿作りを始めたころは、こういった被害はまったくなかった。それが今、猛暑の影響で新たな種類の被害が起きた。大変な状況だし、悲しい思いでいっぱいですね」 関谷さんの柿農園では、猛暑による日焼けとカメムシの被害を合わせると、3割から4割ほどの富有柿が出荷できない可能性があるということです。