3メガ銀などに株主提案、取締役会の監督能力開示求める-環境NGO
(ブルームバーグ): オーストラリアの非政府組織(NGO)であるマーケット・フォースなどの環境団体は15日、国内の3メガバンクに対して気候変動対策の強化を求める株主提案を行ったと発表した。企業の取締役会の監督能力に照準を合わせ、気候変動への対応が経営戦略に適切に反映されるよう求めた。
三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ3行全てを対象にした株主提案は2年連続となる。
提案では、気候変動関連の事業リスクや事業機会の管理が経営戦略に確実に組み込まれるよう、取締役会が適切な監督能力を備えているかについて株主が評価する上で必要な情報を開示するよう求めた。
マーケット・フォースなどは昨年まで、2050年の排出量実質ゼロ目標を踏まえた移行計画の策定が必要などと指摘していたが、今回は取締役会の在り方に狙いを定める方針に変えた。今年の株主提案も、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要となる「定款変更」で、可決へのハードルは高いと言える。
ブルームバーグが22年に過去の事例を調べたところ、定款変更を求めた株主提案が可決されたのは1886議案中7件(0.4%)だった。
3メガバンクのほか、中部電力にも同様の株主提案を行った。提案理由について、同社グループは化石燃料関連事業の拡大戦略で重大な移行リスクにさらされているが、取締役がリスク低減の責務を果たし得るか、現状株主は評価ができないなどとしている。
マーケット・フォースなどによる株主提案については、ロイター通信が同日、関係者の話として先に報じていた。
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Takashi Umekawa