【MotoGP】ツーリング状態が長かったイタリアGP決勝、タイヤ内圧ルールがその原因? マルティン主張
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤがスプリントと決勝を制して幕を閉じたMotoGPイタリアGPだが、決勝レースではコース上のアクションの少なさが指摘された。これについてホルヘ・マルティン(プラマック)は、タイヤ内圧ルールが関わっていると主張した。 【リザルト】MotoGP第7戦イタリアGP 決勝レース結果 イタリアGPの決勝レースでは、1周目にバニャイヤが先頭を奪うと、そこからマルティン、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、マルク・マルケス(グレシーニ)らが先頭の隊列を組み、淡々と周回を重ねていく状態が続いた。 終盤にマルケスがバスティアニーニを追い抜き、それを最終盤に逆転したバスティアニーニが、最終ラップでマルティンを追い抜いていくという劇的な展開はあったものの、オーバーテイクを狙うアクションがかなり少ないレースだったのは明らかだった。 最終的に3位となったマルティンはレース中、バニャイヤの0.7秒ほど後ろをついていく状態が続いた。しかしオーバーテイクを仕掛けることができないままだった。 マルティン曰く、ムジェロ・サーキットではタイヤの空気圧が高くなってしまうことでオーバーテイクの機会が制限されることになったという。 なお2024年のタイヤ内圧のルールでは、決勝では50%以上の距離を規定されている最低内圧値を超えた状態で走る必要があると定められている。一方で内圧が高まった状態では転倒のリスクが高まってしまう。 「それ(バニャイヤを抜ける可能性)について僕もマジで考えていた。でも、ここ数年はシーズンを通じてフロントのタイヤ温度と内圧が限界に達してしまっている」 マルティンはそう語る。 「0.3秒以上接近していると、そこから更に近づくのは不可能なんだ。前を走るライダーがミスをしない限り、オーバーテイクは難しい」 「もっとショーを見せられなくて残念だよ。このルール(内圧の規定)がなければ、僕はもっとオーバーテイクをするチャンスを持てたと思うんだ」 「でもミスがなければ2位というのが今日の僕の位置だった。3位になってしまったけどね」 今回マルティンは、最終ラップの最終コーナーでバスティアニーニに追い抜かれて2位を失ってしまった。彼はバスティアニーニに追い抜かれてしまったのは、2位は確実と考えてペースを緩めていた自らのミスだったと振り返った。 「フィニッシュラインを超えた後にはかなり大きなフラストレーションを感じていた。最終コーナーでポジションを失ったのが、かなりの痛手だったからね」 「あれは僕のミスが大きかった。ピットボードで(3番手だったバスティアニーニと)0.8秒差と見ていたから、リラックスしていたんだ。プッシュはしても限界まではしていなかった。ペッコにはもう離されていたし、クラッシュしたくなかったんだ」 「誰もいないと思っていたところに、彼のバイクの音を聞いたんだ。こんなコトが起こるとは思っていなかった。もうこんな失敗は起こさないよ。信じて欲しい」
Rachit Thukral