政治への信頼が揺らぐ中、「秋の政治決戦」、衆議院選挙は、27日投票日を迎えます。 県内3つの選挙区には、11人が立候補し、公示後、舌戦を繰り広げています。 この選挙期間中、最大の争点となっているのは、「政治とカネの問題」です。 物価高や賃上げ、地震からの復旧復興など、待ったなしの課題が山積するなかであっても、それ以前に政治に携わる資質があるのか政治への信頼そのものが問われる事態となっています。 発端となったのは自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題です。 政治不信の空気に包まれた中で、有権者がどう審判を下すかが最大の焦点で、結果、自民・公明の与党が過半数の議席を維持できるか注目されます。 そうした中で特に激戦となっている富山1区が注目されています。 富山1区は収支報告書に不記載のあった自民の前職と4人の野党系候補が乱立する今回の衆院選の縮図のような象徴的な選挙区となっています。 政治とカネの問題に関する一連の経緯の説明や再発防止策に対して、有権者が納得し、理解が得られるかどうか、自民王国・富山の県都決戦には全国的にも関心が集まっています。 県内の有権者はこの問題、どのように捉えているんでしょう。 BBTが富山新聞、社会調査研究センターと共同で24日実施した情勢調査では、「投票先を決める際に『政治とカネ』の問題を考慮するか」という設問に対し、「大いに考慮する」あるいは「ある程度考慮する」と答えた人が県内全体の平均で7割近くに上りました。 特に富山1区は2区3区に比べてこの問題に、より高い関心が寄せられていることがわかりました。（1区72.8％　2区67.6％　3区65.1％） やはり収支報告書への不記載があった議員が出馬している選挙区だけに有権者の投票意識にも大きな影響が出ていますね。 それに対し、各候補は選挙戦で政治とカネの問題についてどんな訴えをしてきたのでしょうか。 自民・前職の田畑さんは政治資金パーティーで68万円の収支報告書への不記載があり、今回、比例復活はありません。 政治の信頼回復に向け、有権者との対話集会を繰り返して不祥事について説明し、再び国政に送り出してほしいと支援を呼びかけています。 一方、重視する政策として「政治とカネ」を挙げる人の4割が支持し、自民への批判票の受け皿の中心となっているのが立憲・新人の山さんです。 街頭演説では自民党を批判し、「政権交代が一番の改革」であると訴えています。 無所属で前職の吉田さんは政治に対する信頼を失っている最大の理由は、有権者が選ぶ政党がないことにあると主張していて、無所属である強みをPRしています。政治資金規正法を見直し、お金を見える化すべきだと訴えています。 維新・新人の浅岡さんは県議時代に自民党所属だったこともあり、政治とカネの問題には深く言及せずに選挙戦を展開。維新が掲げる大学までの教育費・医療費の無償化を増税なしに行うなどの政策を訴え、支持を呼びかけています。 共産新人の青山さんは裏金政治の大掃除を謳い、一貫して企業・団体献金の全面禁止を訴えています。 また、自民党の政治を一番変えられるのが共産党だとして、支持拡大を呼びかけています。 衆院選は、政権選択選挙とも呼ばれます。連立を組む自民、公明が過半数以上の議席を維持できるか、大きな焦点になるわけですが、県民の意識はどうですか。 24日の情勢調査では、衆院選後の政権として、自民・公明を中心とした政権の継続を期待するかどうかについても聞いています。 その結果がこちらです。 自民・公明を中心とした政権の継続を期待すると回答した人が35.2％。今の野党を中心とした政権交代を期待すると回答した人が27.9％わからないとした人は36.2％でした。 これはある意味では、6割以上が今の連立与党に対し納得、満足していない、今回の衆院選を物語るようなデータとも言えると思います。 ただ、3分の1が「わからない」と答えていて混とんとした情勢であることがわかります。 では、県民は政権交代についてどう考えているのか、街で聞きました。 Q.政権交代を望みますか？ ＊政権交代を望む 「あまりにも市民のためになっていない」 ＊政権交代を望まない 「。前回（民主党が）なったがそれなら今のままの方がいい」 ＊わからない 「微妙ですね。交代する以前の民主党も結構ひどかった。でも自民党に驕ってもらっても弊害がでてくる」 「はぁなんとも。正直誰に入れていいか悩む。言っていることも大して変わらない。言ったことをやっている風に感じられない」 「いやー微妙。政策的にはどこも似たり寄ったり。子育て支援に力を入れてくれる所であればいい」 今回の衆院選、自民王国と呼ばれる富山でどのような結果となるか注目ですね。 カギを握るのは投票率です。特に富山1区では浮動票の行方が勝敗を大きく左右しそうです。 前回2021年の衆院選の投票率は、富山1区が52.4％、2区が54.2％、3区が59.1％で県全体では55.7％でした。 今回はどう推移しそうですか。 BBTが行った情勢調査ではおよそ半数が期日前投票を既に済ませた、もしくは必ず投票に行くとしていて関心は高いことが見てとれます。 各陣営はどうみていますか。 富山1区の各陣営に聞いたところ、山陣営は「上位2陣営が競り合っていることもあり前回は上回るだろう」、吉田陣営は「なんともわからないが希望としては上がってほしい」、田畑陣営は「期日前の状況を踏まえ51％」、浅岡陣営は「反応がよく前回を上回るのではないか」、青山陣営は「上がるか微妙なところ」と話していました。 私たちの暮らしにも直結する政権選択選挙です。 有権者にはぜひ投票に行ってもらいたいですね。 政権の継続か交代か、わからないと答えた3分の1の有権者がこの選挙でどのような意思を示すのか、注目したいと思います。