田舎暮らし〝生活費の試算〟お任せ 島根がソフト開発
移住者の不安取り除く
島根県中山間地域研究センターは24年間の収支見通しをサポートする生活費シミュレーションソフト「田舎くらし設計」で、田舎生活を夢見る希望者に対して島根での生活費プランを試算、移住に向けた不安の解消に寄り添う。「田舎くらし設計」サイトからオンライン相談を申し込めば、遠隔でインストラクターが対応する。相談件数は500件を大きく超えた。 田舎での生活を計画する中で、多くの人が悩むものに、人間関係や生活環境、生計の安定などがある。同センターは、生計の不安を解消するため、田舎での生活費の情報を提供しようと、試算するソフトを2016年に作り上げた。家計簿調査で基礎情報をバージョンアップしている。 相談では希望者の基本情報として家族構成、働き方(年収)、貯金などを聞き取る。想定するライフスタイルで必要となる食、車、子育て、趣味などの支出を入力。具体的な数値がない場合は、地域での平均値を利用する。田舎では支出の特徴として、居住費、食費(主に外食費)、教育関連費(中学生まで)などが都会より低くなるが、自動車関係費、光熱費は高まるという。 利用した相談者からは「移住した後に考えなくてはいけない項目が整理できた」「子どもの進学などを家計の面から考えるきっかけになった」などの声が寄せられている。 同センターの有田昭一郎研究企画監は「田舎で暮らすのに必要な生活費や収入のイメージを持って移住を準備し、目指す暮らし方と働き方を実現してほしい」と話す。同サイトでは、体験版も利用できる。
日本農業新聞