明石家さんまの「東大生イジり」は“時代遅れ”? 現役東大生の見解は
―[貧困東大生・布施川天馬]―
「旧時代的だ」と炎上中の明石家さんま
先週8月24日(土)の21時より、人気テレビ番組『さんまの東大方程式』が放送されました。「番組のスター」大津くんをはじめとして、なぞかけを瞬時に返す東大生や、起業して数億円を稼ぐ東大生など、様々な人が出演。同時期にX(旧ツイッター)を追っている限りでは、今回もなかなか盛況だったようでした。 ですが、本番組がいま炎上しています。MCを務める明石家さんまさんが、大津くんの吃音をバカにするようないじりを連発したため、「旧時代的だ」と叩かれているのです。 本番組に出演した西岡壱誠さんによれば、収録前のスタジオにて、二人は和気あいあいと話し込んでいたといいますから、これは「変わった東大生」をいじる演出と見るべきでしょう。 このような演出を嫌う東大生も、私の周りには多いのですが、私個人としては、喜ばしい流れだと感じています。それは、東大のレベルが、いい意味で下がってきていると思えるからです。
「東大生」が下ってきた
昨今の東大番組は、『東大王』のように、常人離れした能力を披露するものと、『さんまの東大方程式』のように、面白おかしく東大を取り上げるものがあります。 特に後者のような番組の出演前後から、「東大生=おかしな人」というレッテルが増えました。それまでは、ただ「頭がいい人」だったのが、「変なこだわりがある」とか、「視点が独特」とか、面白おかしく報じられるようになったのです。 もちろん、これによる弊害も存在しています。私の友人は、バイト先のカフェの面接にて「東大生ってことは、なんか変わった特技もっているの?」と質問されたそうです。 塾や予備校、家庭教師の面接などでは絶対に言われない一言。「東大生」の存在が、どれだけ世間離れしているかを感じさせます。 ですが、これは同時に「親しみやすさ」を振りまいているとも取れます。私の父から聞いた話では、彼が学生だった頃は、ある程度の学歴をもって単純作業や肉体労働のバイトに応募すると、面接で必ず嫌味を言われたそうです。高学歴に対する偏見が、今よりも拒絶する方向へ強かったのでしょう。