【大分】不登校過去最多に
大分朝日放送
学校に通えない不登校の子どもたちの数が大分県内で初めて3000人を超え、過去最多を更新したことが分かりました。 不登校は心理的・身体的あるいは社会的背景により登校しない、したくてもできない状況にあって年間30日以上欠席することを言います。 文部科学省が毎年行っている調査によりますと、2023年度、大分県内の不登校の児童・生徒の数は3158人で、初めて3000人を超えました。 全国平均は下回っているものの、前の年よりも455人増えていて、調査開始以来、過去最多を更新しました。 (県学校安全・安心支援課 佐藤潔課長) 「学校教員だけでなくてカウンセラーやソーシャルワーカーと連携しながら組織的に対応していく」 一方、学校だけでなく様々な学びの場も増えてきています。 (フリースクールの卒業生) 「中学校に入ってから心の調子を崩してしまって朝起きるのがしんどかったり」 大分市羽屋にあるフリースクールの「あすらん」では、学校に通っていない小中学生がカウンセリングや調理、季節のイベント体験、自習など、平日の昼間思い思いに過ごして交流しています。 (フリースクールの卒業生) 「無理なく通えるししんどかったら家でも大丈夫だよと言ってくれるのでかなり楽になった」 (フリースクールあすらん 片原由貴子さん) 「コロナで学校に行けなくなって分散登校で行けていたが集団が苦手になってという影響がすごく大きいと感じる」 不登校の子どもたちが過去最多となった背景には何があるのでしょうか。 また様々な支援策についてもご紹介します。 (浅見アナ) 全国でも増え続けている不登校ですが、大分県内でも過去最多となりました。 文部科学省の調査で、不登校の小中学生は5年前1843人でしたが、2023年は3158人と過去最多を更新しました。 大分県はその理由を「不登校」の実態を把握する数が増えてきていることと、コロナ禍で自宅での学びの環境が整備されたことで学びの場が多様化していることなどを挙げています。 そもそも不登校の原因はどこにあるのでしょうか。 最も多いのは、「学校生活にやる気が出ない」「生活リズムの不調」や「学業不振や宿題の未提出」などだそうです。 フリースクールのあすらんを運営する片原由貴子さんは、「自分でも学校に何で行けなくなったのかわからないという子どももいるし部活動やネット上のトラブル、家庭環境など要因は複雑化している」と話します。 不登校の要因は、人によって様々ですが不登校には実は予兆があることが多いそうです。 例えば先生や友達に対するネガティブな発言が増える、部活や習い事を休み始めるなどです。 こういった兆候が見られた場合、保護者はどうやって接していけばいいんでしょうか?大分県によりますと、このような兆候が見られたら1人で抱え込まずに学校やスクールソーシャルワーカーに気軽に相談してほしいと言います。 不登校相談ダイヤル097-503-8987で相談を受け付けています。 不登校は増加傾向ですが、学びの場は多様化しています。 2023年、開校した玖珠町立の学びの多様化学校では通常の学校とは違うカリキュラムで児童・生徒の自主性を伸ばすことを目指しています。 入学希望の子どもたちも多く各市町村でも導入が検討されています。 また、民間が運営するフリースクールでは子どもたちの特性に合わせた学びを提供しています。 そしてコロナ禍を経てタブレットの活用も進んでいます。 子どもたち1人に1台タブレット端末が提供され、家庭でも学習できる支援も充実してきました。 大分県は「不登校」は問題行動ではない学びの場が多様化してきているので、その子どもに合った教育を提供していきたいとしています。