ママ、障がい者、LGBTいろんな人が働く「久遠チョコレート」。食べる人も作る人も幸せになる、こだわり素材のお菓子とは?
「甘い香りがするのが幸せ」多様な人が作るチョコレート
スタッフのYさん「自分が作ったものが積み上がっていって、お客さんの手に渡るのが嬉しいです」と話すのは、川口店で約1年前から働き始めたYさん。久遠チョコレートで働くまでには、障がいによって希望する道を阻まれた過去がありました。「学校で医療系の資格を取得したのですが、障がいがネックになって就職できなかったんです。それで1年くらい暇になってしまって、『これからどうしようかな』と悩んでいるときに母が勧めてくれたのが、久遠チョコレートでした。Yさんも梱包しているQUONテリーヌ今の仕事は、作業内容がある程度決まっている点が自分に向いていると思いますね。『どうやったらこの作業をもっとうまくできるかな』とか、『効率化するにはどうしたらいいんだろう』とか考えるのが私の性格に合っていると最近気づきました(笑)」久遠チョコレートの好きなところは? と尋ねると、Yさんから一層笑みがこぼれます。「工房に入ると、まずチョコレートの香りがするんですよね。そのにおいをかぐと、幸せな気分になります。あとは、皆さん親切にしてくださったり、丁寧に教えてくれるので、楽しく過ごせています。この先のことはあまり決めていませんが、チョコレートの製造に携わるなかで、自分と社会とのつながりを見つけていきたいです」
久遠の袋を掲げて、街を歩く
スタッフの上督さん過去にも製菓系の作業所で働いていたという上督(うえがみ)さんは、お店に来た経緯を「以前働いていた場所が移転することになり、新しい職場を探していました。ここに惹かれたきっかけは、お菓子を作るときに無駄が出ないことを知ったことですね」と回答。「みんなと切磋琢磨していろんなチョコレートを作っていくのが楽しいです」と、工房での日々を話します。右:取材日に作っていた「QUONフルーツ」,左:人気の「QUON orangette」「工房と売り場の間がガラス張りになっているので、お客さんが来て商品を手に取ってくれるとわかるんですよね。そのチョコレートが自分の作ったものかどうかはわかりませんが、商品がカゴに入れられていく様子を見ると嬉しくなります。店内の見える工房あとは、友人や家族に商品をプレゼントしたときに『美味しい』って言ってもらえるのがとても嬉しいです。ブランドの存在を知ってもらって、多くの人に買ってもらいたい気持ちがありますね。宣伝活動も兼ねて、ロゴが書かれた袋をわざと上に掲げて歩いたりもしています(笑)」障がいを抱えた人もそうでない人も、みんながフラットに関わり、美味しいお菓子作りを追求していたチョコレート店。QUONフルーツの甘酸っぱい味わいには、いろんな経験を経て働く人たちの力強さを感じました。 About Shop 久遠チョコレート 川口店 埼玉県川口市安行藤八315 営業時間:10:30-19:30 定休日:火曜日 公式Instagram:@quonkawaguchi
ウフ。編集部 磯部美月
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