陰謀論にデマ、誤報。SNS時代におけるイギリス王室のメディア戦略の危機
王室にとって透明性や正直さはもろ刃の刃
透明性を保つことによって(それが本物ならば)、公衆は自分たちが何らかの権利や主張を持っと感じている英王室について、見聞きするだけでなく、理解することができる。しかし、人々のヘンリー王子の回想録や、サセックス夫妻が自分たちの真実を語った2021年のオプラ・ウィンフリーのインタビューへの反発からわかるように、正直さは諸刃の剣だ。見せすぎると王室も結局のところ私たちと同じであることが証明されてしまう。それは私たち一般人も、そしておそらくは彼らも認めたくないメッセージであるだろう。 写真/2021年3月に放送されたサセックス公爵夫妻のオプラ・ウィンフリーとのインタビュー。多くの衝撃的事実が明るみになり、話題に。
王室のインフルエンサー化は避けられない?
「陰謀論は権力者が密室で何かを行うことに端を発する傾向があるため、今の時代に王室が真に機能するには、より透明性を高める必要があります」とトピンカ博士は言う。 「これまでの彼らのやり方ではもはや十分ではありません。今日において王室が機能し続けるためには彼らはソーシャルメディアのインフルエンサーのようになる必要があります。彼らはファンに何をしているのか、なぜしているのかを伝え続けなければなりません。沈黙を保つことはもはや選択肢ではないのです」
SNS時代におけるイギリス王室のメディア戦略
母の日の写真や外出写真のように、英王室の従来通りの「落ち着いて行動を続ける」やり方は疑惑を鎮めるのではなく、王室に対する厳しい監視をさらに強めることになるだろう。 イギリス王室はSNS時代にその公共の存在をどのように管理するか問い直し、フェイクニュースが溢れる世界での沈黙の力について今こそ再考すべき時かもしれない。 【追記】現地時間3月22日(金)にキャサリン妃はケンジントン宮殿の公式SNSを通じて異例となる動画の声明を発表。1月の腹部手術後にがんと診断され、現在化学療法の初期段階にあることを明らかにしている。
Translation & Text : Naoko Ogata From: ELLE UK