オバマ元米大統領がオールスターゲームを痛烈批判「もうダメ。ゲームを侮辱している」
第44代アメリカ合衆国大統領を務めたバラク・オバマ氏が、NBAのオールスターゲームにご立腹の様子だ。 オバマ元大統領がポッドキャストで持論を展開 オバマ元大統領は、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)がホストするPodcast『The Young Man and the Three』に出演。同氏は言わずと知れたNBAの大ファンであり、在任期間中はホワイトハウスでバスケットボールをプレーする姿が話題になったほど。そんなオバマ元大統領がハリバートンの話を遮り、怠惰なプレーが目立つ昨今のオールスターゲームに苦言を呈した。 「選手たちはオールスターゲームにもう少しプライドを持たなければいけません。君たちは夏の間にピックアップゲームをプレーしているじゃないか。誰もケガさせず、誰も転倒させないプレーの仕方を知っているはずです。オールスターゲームはもうダメですね。みんな走りたくなさそうですし、色々なことを試しているだけに見えます。コービー(・ブライアント)やマイケル(・ジョーダン)、アイザイア(・トーマス)がいたころは、レギュラーシーズンのようなプレーこそしていませんでしたが、勝利を目指していました」 近年、オールスターゲームはファンや関係者からも批判が鳴り止まない。フリーの状態が相次ぐ中、突如としてダンクコンテストが繰り広げられたかと思うと、今度はロゴスリー合戦が繰り広げられ、その様子はスター選手たちのウォーミングを見ているかのよう。これには記者や殿堂入りのレジェンドたちからも批判が集まる一方で、アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)はチームの大黒柱としてケガのリスクを極力回避する必要性を説き、アンソニー・エドワーズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)もオールスターブレイクの“ブレイク”を強調して競争は不要だという考えを示すなど、選手と周囲の構図による溝は深まるばかりだ。 しかし、オバマ元大統領は、球宴とはリーグや選手にとって大事な“商品”であると指摘する。 「ゲームを侮辱しています。『よし、集中していこう』というような気持ちが、皆に必要なのではないでしょうか。なぜなら、君たちは試合に出場しているからです。これは君たちの仕事なのですから。これが君たちの商品なのではないでしょうか。中途半端なプレーをしていると思われて、どうするのでしょうか。もっと真剣に向き合わなければいけません。問題なのは選手たちが今、ものすごく高い給料をもらっているということです。インシーズン・トーナメントは想像以上の良さでしたけどね。もうあんなものを見たくないので、君たちに対処してもらいたいのです」 オバマ大統領のメッセージは明確だ。昨今のオールスターゲームには情熱が欠如しており、NBAという素晴らしい製品を汚している。2023年のオールスターゲームは過去20年で最低視聴者数を記録し、既存のスタイルに問題があることは明らか。それはコミッショナーのアダム・シルバー氏も理解しており、選手たちに真剣に試合をするよう注意喚起をしている。 オールスターとインシーズン・トーナメントの熱量の大きな違いは、成績がレギュラーシーズンの記録に反映され、インセンティブが付与されるところにある。レイカーズが初代チャンピオンに輝いた昨年において、後者の形式は一定の成果を収めており、リーグはこの新たな施策からオールスターにも何かヒントを得る必要があるのかもしれない。 一方で、ファンたちもシーズンのインテンシティーが失われることを望んでいないはずだ。一度に5人しかコートに立てないこの競技において、スター選手たちの持つ影響力は絶大であり、ケガによる彼らの損失はリーグのパワーバランスを大きく崩してしまう。 オールスターが怠惰なショーケースから熱狂のエンターテイメントに返り咲くために、リーグと選手たちに求められる変化とは。 文=Meiji
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