J-POP世界に浸透、業界構造変化でチャンス-韓国勢に迫る勢い
旧ジャニーズ事務所に代表された従来のプロダクションは、アーティストの著作権を管理することで、業界でほぼ独占的な力を築いた。しかし、アーティストの活動はおおむね日本国内に限定されたほか、ソーシャルメディアやストリーミング・プラットフォームを敬遠したことで、より大きなブームを生み出すチャンスを逃した。
キンプリ超え
さらに旧ジャニーズ事務所を巡る一連のスキャンダルを受けてスポンサー放送局は同事務所のタレントを敬遠するようになり、市場に空白ができた。当面の勝ち組は、ソーシャルメディアやストリーミング・プラットフォームを通じて徐々に人気を集めているK-POPグループや日本の新人アーティストたちだ。XGのYoutubeでのフォロワー数はキング アンド プリンスを上回っている。
日本最大のメディア・コングロマリットであるソニーグループは、日本最強の文化資産で、世界中にファンを持つアニメを最大限に活用することで、勢いに乗っている。
ソニー・ミュージックのバックアップを受け、ネットフリックスで配信されているアニメ「推しの子」に向けたYOASOBIのオープニング・ナンバー「アイドル」は、アジア全域とアメリカで大ヒットしている。彼らは今年、米カリフォルニア州で開かれるコーチェラ・バレー・ミュージック&アート・フェスティバルに出演する。
顔を隠し、シルエットだけで活動することで知られるAdoは、漫画映画「ONEPIECE FILM RED」の主題歌でチャートのトップを飾り、アップルのグローバル100チャートで日本の曲として初めて1位を獲得した。ユニバーサルミュージックと世界最大のアニメ・ストリーミング・プラットフォームであるソニーのクランチロールのサポートを得て、Adoはアジアと米国、欧州で初の世界ツアーを行っている。
ルミネートによると、米国と韓国のZ世代の音楽リスナーの約20%が、アニメを通じて日本の音楽を発見しており、「アニメを通じて音楽を発見する世代は、音楽のストリーミング再生回数が多い可能性も高い」という。