「長崎スタジアムシティ」開業、スポーツが街にもたらす潤い…古宮洋二・JR九州社長と森保一・サッカー日本代表監督語る
約2万人を収容できるサッカースタジアムにアリーナやホテルなどを備えた複合施設「長崎スタジアムシティ」が14日、長崎市のJR長崎駅近くにオープンした。西九州新幹線(武雄温泉―長崎)の開業から2年が経過してにぎわいが続く長崎の新たな拠点として期待される中、同市出身の森保一・サッカー日本代表監督(56)と、まちづくりに力を入れるJR九州の古宮洋二社長(61)に、スポーツを通じた地域振興をテーマに語ってもらった。 【地図】長崎スタジアムシティと長崎駅ビルの位置関係
――森保監督はどのような「サッカー少年」だったのか。 森保 サッカーを本格的に始めたのは小学校6年の時だったが、それまでは実は少年野球をしていて、プロ野球選手になるのが夢だった。サッカーと出会ってからは、走りながら自分で状況を判断し、相手と駆け引きできる点が自分の性格に合っていたことから魅力にとりつかれ、中学生、高校生になっても続けた。のびのびと思い切ってサッカー生活ができたことが今につながっている。
――古宮社長が考えるサッカーの魅力は。 古宮 サッカーはグラウンドとボールがあれば、立派なゴールがなくてもプレーできる。私も子どもの頃にボールを追いかける楽しさを知り、中学ではサッカー部に入った。ポジションはフォワードで、点を取るのが楽しかった。
――長崎市では2022年に西九州新幹線が開業し、昨年11月には新たな長崎駅ビルもできた。ここまでの状況をどうみているか。 古宮 長崎駅の利用客は新型コロナウイルスの感染拡大前に戻りつつあり、西九州新幹線の利用状況も観光客を中心に順調だ。欧米からの訪日客も多い。今年1月、新長崎駅ビルの上層階に開業した「長崎マリオットホテル」も好調だ。
臨場感や音の反響が全然違う
――にぎわいが増す長崎市の中心部に、サッカー専用スタジアムをメインとする施設が新設された。 森保 サッカーに携わる一人として、同時に長崎出身者として、すごくうれしく思う。スタジアムができ、スポーツがまちづくりに貢献し、街に潤いをもたらすことができるのは楽しみだ。サッカーが社会貢献につながることが、活動の意義だといつも考えている。 古宮 私はスポーツ観戦が好きで、サッカーも野球もラグビーも見る。テレビでの観戦も悪くないが、やはり会場で楽しむのが魅力的だ。試合中に選手同士がぶつかる音とか、ボールを蹴る音を実際に聞くことができるのがいい。 森保 サッカー専用スタジアムは、臨場感や音の反響が全然違う。選手たちはJ1やJ2といったカテゴリーに関わらず、地域のために頑張っている。長崎スタジアムシティは市の中心部にあるので気軽に行くことができる。皆さんにはぜひスタジアムに足を運んでもらい、非日常の体験を楽しんでほしい。