「現代の名工」・全国唯一の矢師・小山さん 匠の技生かし耳かき製作・販売
全国で唯一の矢師の現代の名工、小山三郎さんが匠の技術を駆使して「矢師の耳かき」を製作した。小山さんは弓道の矢の製造、販売で約150年の歴史がある小山矢(本社岡崎市、小山泰平社長)の前社長で6代目。耳かきは矢づくりの端材を使用、繊細な削りの技術で絶妙のしなりを実現した。価格(税別)は箱入り3千円、袋入りが2千円。本社近くの直営店のほか、地域の物販店やホテルのショップでの販売を検討している。 矢の材料となる「矢竹」は希少で、竹の中で最も丈夫と言われる。矢の製造工程は竹を加熱してまっすぐにする「矢矯(た)め」、強度を出す「箆(の)張り」、火色(色付け)があり、耳かきもこれらの処理を施した材料の端材を使用している。 細く中空の矢竹の特徴をデザインに生かし、持ちやすさや使い心地を追求した。特に先端部は極めて繊細な削りにより優しい、しっかりなど3段階の使い心地を作り分けている。 矢の材料が竹からアルミやカーボンに変遷する中、小山さんは代々受け継がれてきた技法を用いた竹矢の製造を後世に伝承するため、鍛錬を続けている。「竹の良さを知ってもらい、商品の販路を拡大していきたい」(小山さん)と意気込む。(三河)