ヤクルトD1位・西舘昂汰が実戦デビュー 23歳の誕生日に快投 最速149キロで1回無失点
(イースタン・リーグ、西武3―9ヤクルト、9日、上尾)ヤクルトのドラフト1位・西舘昂汰投手(専大)が23歳の誕生日に実戦デビュー。六回に3番手で登板し、1回1安打無失点に抑えた。最速は球場表示で149キロを計測。「緊張したけど、楽しく投げられた。誕生日がいい一日になってよかったです」と安堵の笑みを浮かべた。 【写真】「舘が結構複雑なので」専大の同学年、満田柊蔵が考案してくれたというヤクルト・西舘昂汰のサイン 力強い直球と制球力が際立った。1死で対戦した野村からは、捕手のD4位・鈴木(静岡・常葉大菊川高)が外角低めに構えたミットに刺さる直球で見逃し三振を奪取。189センチの長身から投げ込む直球を武器とする右腕が、本領を発揮し「久しぶりの実戦だったので、真っすぐ主体でいった。真っすぐは本来のボールを投げられている。これから投げていけば、もっと出力はあがる」とうなずいた。 1月の新人合同自主トレーニング中に上半身のコンディション不良を訴え、約2カ月間はノースローで調整。3月にキャッチボールを再開し、4月に傾斜を使った投球練習を始めるなど出遅れたが、元気な姿を見せた。小野寺2軍投手コーチは「ブルペンではちょっと力んでいたけど、(マウンドでは)すごくいい球を投げていたと思う」と振り返った。 プロの一歩を踏み出したUDトラックス上尾スタジアム(上尾市民球場)は、東都2部の専大時代も投げてきた球場。慣れ親しんだマウンドで躍動し、「お客さんがたくさん入るとまた違う雰囲気だなと感じました。すごく頑張れた」と声援に感謝した。この日は福岡から訪れた母・祐三子さんと、東京に住む長兄・洋介さん夫婦がスタンドから見守っており「またいい試合を見せられたらいい」とさらなる飛躍を誓った。 次戦に向けては「決め球のフォークの精度をもうちょっと磨いていけたらいい」と力を込めた。ドラ1右腕がここから羽ばたく。