女性部下を強姦し「時効がくるまで食事をごちそうする」 大阪地検元トップの性暴力、副検事が被害者を誹謗中傷していた疑惑も
「時効がくるまで食事をごちそうする」「(自分が)退職しても訴えないか?」
法の番人であるはずの検察庁。その幹部の一人だったクズ男の卑劣な性犯罪の初公判が開かれた。事件の被害者である女性検事が明かしたのは、“共犯者”ともいえるゴマすり女性副検事の存在だった。かつて「関西検察」の雄として名高かった大阪地検の罪と罰とは。【前後編の後編】 【写真を見る】逮捕された北川被告(65) 初公判では終始打ちひしがれた様子だった ***
前編【「“夫が心配している”と言っても性交を」「逃げようとしても下着を…」 大阪地検元トップの凄絶な性暴力…被害女性が衝撃の事実を告発】では、検事正時代に部下だった女性検事への準強制性交罪の容疑で、今年6月に大阪高検に逮捕、7月に起訴された北川健太郎被告(65)による性暴力について、被害女性の告発内容を報じた。 過去に大阪地検は特捜部の証拠隠滅事件などの不祥事で信用が揺らいでおり、北川被告は被害女性に対して、「私のためよりも、あなたの属する大阪地検のためにお願いする」などと、公に訴えるのを思いとどまらせようと圧力をかけた。彼女には、性犯罪の被害者救済を志して検事となった経緯があり、これまで同様の事件解決に向けて奔走してきた。誰よりも仕事熱心な女性検事の組織への忠誠心を、北川被告は巧みに利用したのだ。 彼女は懸命に日々の仕事をこなすことで事件を忘れようと努めたが、PTSDを発症し肺炎を患うなど体調が悪化。そんな彼女に対して、北川被告は「時効がくるまで食事をごちそうする」などと言い、「(自分が)退職しても訴えないか?」と確認した上で2019年に退職。多額の退職金を得て弁護士に転身後は、神戸大非常勤理事やリーガロイヤルホテルの運営会社の社外監査役などにも就き、悠々自適の生活。 「検察の現職の職員と夜な夜な酒を飲み歩き、部下との関わり方などを語り、検察に大きな影響力を持ち続けていました」(被害女性)
誹謗中傷する虚偽の内容を故意に吹聴
あまりに無反省な北川被告の態度に、被害女性は告発を決意。今年4月に正式に上級庁へ被害を申告して事件化されたわけだが、職場でさらなる裏切りに遭っていた。 10月25日の初公判当日に自ら開いた会見で彼女が訴えたのは、事件の発端となった宴席に同席した女性副検事が、内偵捜査の段階で北川被告側に捜査情報を漏洩して、不利な供述をさせないよう尽力していた疑惑だ。 先の会見で被害女性は、 「(女性副検事は)検察庁職員やOBに対して、被害者が私であることを言った上で、事件当時、性交に同意していたと思う、PTSDの症状も詐病ではないか、金目当ての虚偽告訴ではないかという趣旨の、私を侮辱し、誹謗中傷する虚偽の内容を故意に吹聴していたことが分かりました。さらにうそは検察庁内に広く伝わり、私が信頼していた上級庁の検事までもが、証拠関係も知らないのに、被害者を誹謗中傷し、被告人を庇うような発言をしていた」