レースで活躍したロータリーエンジン【3】七転び八起きとなったル・マン参戦 活動継続が実を結ぶまで
スパに続きル・マン24時間へ ロータリーエンジン搭載車の海外レースでの活動は、コスモスポーツに続き、ファミリアでスパ24時間に参戦。 好成績を残しロータリーの性能をヨーロッパで示したマツダは、マツダオート東京がル・マン24時間に意欲を見せた。 【画像13枚】ル・マン24時間に参戦したロータリーエンジン搭載の歴代マシンたち ロータリーエンジンのル・マン参戦は、1970年にベルギーのプライベートチームがシェブロンB16に搭載したのが手初めで、73年にはシグマオートモーティブがMC73に12A型を組み合わて日本車による初参戦を果たしていた。決勝はクラッチトラブルでリタイアを喫していたが、予選で14位につける快足を見せていた。 以後、しばらくル・マン挑戦は途絶えることになるが、RX‐7の登場によって再開する。 1979年、RX‐7をベースにした252iで参戦。この時残念ながら予選不通過で、翌1980年は参戦を見送ることになる。 1981年には253で再参戦し、IMSA‐GTクラスの仕様で予選は通過するものの決勝はリタイア。 1982年にRX‐7ベースとしては最終仕様となる254で参戦。寺田陽次郎/従野孝司/アラン・モファット組が総合14位で初完走を果たした。 1983年からは純レーシングカークラスのグループCジュニアに転向。新たに717Cを製作し、13B型エンジンを組み合わせて2台が参戦。片山義美/従野孝司/寺田陽次郎の日本人クルーが操る60号車が12位で完走、クラス優勝を勝ち取った。 翌84年は改良型の727Cを準備。ロードラッグ指向とした717Cが安定性に欠けたため、ダウンフォースを重視したボディデザインに変更され、C2クラスから参戦。727Cが2台、ローラT616が1台の陣容だったが、 片山義美の加わったローラT616が総合10位/C2クラスで優勝。片山のセッティング能力が高く評価されたレースだった。 初出:ノスタルジックヒーロー 2020年4月号 Vol.198 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部