国内企業物価、11月は+3.7% 政府補助縮小で電気・ガス値上がり
Tetsushi Kajimoto [東京 11日 ロイター] - 日銀が11日に発表した11月の企業物価指数(CGPI)は124.3と、前年比3.7%上昇した。3カ月連続の上昇で、2023年7月以来の高い伸びとなった。政府の暑さ対策補助が縮小し、電気・ガス料金が値上がりしたことが大きく影響した。 ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は3.4%上昇だった。 前月比は0.3%上昇と、3カ月連続のプラスとなった。 指数の押し上げに最も寄与した「電力・都市ガス・水道」は前年比9.2%上昇、前月比では2.8%上昇。政府は「酷暑乗り切り緊急支援」で8─10月使用分の電気・ガス料金を補助していた。 価格高騰が続いているコメを含む「農林水産物」は前年比31.0%上昇と引き続き高水準だが、日銀によると、新米が出回ったことなどにより上昇ペースは前月までと比べて鈍化しているという。 民間アナリストの間では、消費の強さが物価を押し上げる好循環にはいたっていない、との見方が多数だ。 一方、早期の利上げ観測は根強い。 農林中金総合研究所理事研究員の南武志氏は、足元で消費者物価は2%を超えており、その間は利上げが継続されるとの見方を変えていない。来週18-19日に開かれる金融政策決定会合で日銀が追加利上げに動くとの予想は崩さなかった。「日銀はできるときに動くべきだ」と述べた。 企業物価指数を構成する515品目中、上昇した品目は388、下落は100品目だった。 日銀の担当者は「価格転嫁の裾野が広がっているか引き続き注視している」と述べた。電気・ガス料金支援の影響のほか、銅・アルミ二ウムなど国際商品市況の動向も見極めたいという。 *日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。 http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/