[山口県]不正薬物密輸、大幅増今年上半期 24件2万グラム押収 門司税関摘発
ピーナツバターのボトルに大麻
山口県などを管轄する門司税関が今年上半期(1~6月)に関税法違反容疑で摘発した覚醒剤や大麻などの不正薬物の密輸件数は24件、押収量は2万783グラムで、いずれも前年同期を大幅に上回るペースで推移していることが分かった。 門司税関によると、昨年上半期と比べて摘発件数は11件の増加、押収量は約3・3倍となり、昨年1年間と比べても摘発件数は同数、押収量も大幅に上回っている。コロナ禍が明けて訪日外国人をはじめとした人や物の動きが活発になっていることが要因で、金地金等の摘発も8件あった。 不正薬物の内訳は、覚醒剤7件、大麻草や大麻樹脂などを含む大麻10件、麻薬5件、指定薬物3件。押収量のうち覚醒剤は1万7848グラムに上り、福岡空港でタイ人女性のスーツケースやバッグに隠されていた1万917グラムが摘発された。 山口県内では、国際郵便物でピーナツバターのボトルに入った大麻約58・71グラムを米国から輸入しようとした米国人1人や、日韓フェリーで活魚運搬車に隠した金塊約30キロを密輸入し消費税などを免れたとして日本人6人と韓国人3人を検察に告発する事件があった。 門司税関密輸出入取締対策山口地区協議会が10日、下関市内であり、門司税関や山口地検、山口県警、第6、7管区海上保安本部、中国四国厚生局、広島出入国在留管理局の7機関から計39人が出席。取り締まり状況や今後の対策などについて意見を交わした。 会長の中村治下関税関支署長は「出入国旅客数が急速に回復する流れに乗じ、社会悪物品の密輸増加も懸念される。これまでにも増して関係機関と連携した厳格な密輸取り締まりが必要になる」と述べた。