「大事な場面で決めきる…それが私の役割」久光スプリングス、「荒ぶる」中川美柚劇場で東レにストレート勝ち【Vカップ】
バレーボールVリーグ女子1部(V1)の全12チームによるVカップが24日、神戸市の神戸総合運動公園体育館などで行われ、今季リーグ戦で年間6位(レギュラーラウンド3位)の久光スプリングスは東レアローズにセットカウント3―0(25―18、25―20、25―20)で快勝した。通算2勝2敗として、1次リーグ最終戦となる次戦は岡山県の赤磐市山陽ふれあい公園総合体育館で4勝無敗の岡山シーガルズと対戦する。 ■【写真】今季ラストのホームゲームでストレート勝ちし、記念写真に納まる久光スプリングスの選手たち Vカップは12チームを2グループ(AとB)に分けて1次リーグを行い、各グループの上位2チームがトーナメント方式で争うファイナルラウンドに進出。Aグループはデンソーエアリービーズと日立Astemoリヴァーレ、久光の所属するBグループは岡山シーガルズが突破を決めた。4月7日に優勝チームが決まる。 久光のスターティングメンバー(第1セット)は、中島咲愛(24)、北窓絢音(19)、万代真奈美(25)、中川美柚(24)、大竹里歩(30)、チタポーン・カムランマーク(28)、リベロ・高橋葵(18)。
酒井監督も評価「チームを引っ張るという意志の強さ」
ストレート負けを喫した23日のトヨタ車体クインシーズ戦から一夜、今季最後のホームゲームとなった神戸のコートで久光の選手たちは別人のように輝いた。若手主体の東レにストレート勝ち。得点シーンのたびに拳を握りしめ、突き上げ、ほえたのは中川だった。ライト側からの攻撃を担い、アタック15得点(31打数)で48・4%の決定率をマーク。「スタートから元気良くいけたことで、流れをつくることができました」。相手のサーブ攻勢にチーム全体が受け身になって完敗した前日の反省を生かし、攻めの姿勢を貫いた。 セッターとの2枚替えがメインだったリーグ戦と違い、Vカップではスタメンで出場中。しかも他のメンバーとの兼ね合いでライト、レフトの両ポジションでプレーしている。レフトに入った前日はチーム最多のアタック14得点(30打数)で46・7%の決定率を記録。「与えられた仕事に加えて、チームを引っ張るという意志の強さを持ってコートに立っている。それが結局、自分の積極性となってスパイク、サーブにつながっている」。結果はもちろん、酒井新悟監督が評価しているのは中川のコートでの立ち居振る舞いだ。 2021~22年シーズン優勝の立役者でもあり、昨秋の杭州アジア大会は後輩の平山詩嫣(23)とともに日本代表として出場した。183センチの長身で堅実なサーブレシーブ、効果的なサーブも光る。だからこそ、誰もが真の一本立ちを待ち望んできた。このVカップは、その姿を具現化するための絶好機でもある。