「貯蓄が3000万円以上あります」そんな70歳代は何%?二人以上世帯で検証した結果とは
国民年金の平均受給額はいくら?
●【国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額】 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 厚生労働省年金局によると、国民年金の平均月額は5万円台です。 国民年金は保険料が一律となっているため、厚生年金のような大きな個人差は見受けられません。 物価が上昇していることも踏まえると、国民年金のみで老後の生活を送ることは難しいでしょう。 ご自身の年金受給額について詳しく知りたい場合は、日本年金機構より毎年誕生月(誕生日が1日の方は誕生月の前月)に届く「ねんきん定期便」や、ネットから簡単に確認できる「ねんきんネット」をチェックしてみてください。
老後に向けてFPからのアドバイス
ここまで、70歳代世帯の貯蓄事情と年金受取額についてみていきました。 70歳代・夫婦世帯の平均貯蓄額は平均値:1757万円、中央値:700万円ということでした。皆さんはこの数字を見てどう感じましたか。 多くの方が貯蓄だけでは老後の生活は厳しいのでは? と感じたのではないでしょうか。 もちろん中には、貯蓄だけで老後生活を問題なく送れるという世帯もありますが、保有資産が無いという世帯が約20%ほどいる事実も見過ごせません。 老後生活を安心したものにするためには、貯蓄だけでなく、年金に頼るでもなく、それなりの準備が必要ということです。 では、どのように準備したらいいのか筆者の経験や実際の相談を元にアドバイスさせていただこうと思います。 ●《現状の把握 目標の設定》 老後の生活に向けて準備していくために大切なのは、今の自分にはどのくらいの準備が必要で、何に向かって準備するのか知ることです。 老後に向けての準備となるとある程度の年数が必要になります。なんとなく始めてでは何事も長続きしません。 ●《資産運用の活用》 老後に向けての準備として貯蓄ももちろん大切ですが、効率よくお金を増やしていく資産運用を取り入れてみるのもひとつです。 資産運用は貯蓄とは違いリスクは伴いますが、預貯金にない効果をもたらすこともあります。 少額でできる投資信託やNISA・iDeCoなど手段は様々です。数ある中でどの資産運用があっているのか、知ることから始めるのもいいでしょう。 安心した老後のために、今からできることを少しでも始められるといいですね。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命」 ・厚生労働省「男女の賃金の差異の情報公表状況(令和6年1月19日時点)」 ・内閣府男女共同参画局「令和6年版 男女共同参画白書」
大庭 新太朗