2023年はAIの年だった、と言っても過言ではないだろう。この新しいテクノロジーの出現と急速な発展は、拡大と変化と混乱が相まって形作られている、デジタル領域を象徴するような存在にも感じられる。 一方で、デジタルの未来は不透明だ。市場におけるすべてのプレイヤーが、先の見えないなかでいかに足場を固め、次のステップへと進めるのか模索を続けている。DIGIDAY［日本版］恒例の年末年始企画「IN/OUT 2024」では、 DIGIDAY［日本版］とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに2023年を振り返ってもらい、2024年に向けてどのようなチャレンジを企図し、次なる成長を実現しようとしているのか伺った。 ユニファイド・サービス株式会社にて、マーケティング・執行役員 CMOを務める甲斐博一氏の回答は以下のとおりだ。

──2023年に挙げたもっとも大きな成果はなんですか。

大企業グローバルITカンパニーから転職し、これまでマーケティングが機能として存在していない日本企業にてゼロからマーケティング機能と組織を立ち上げました。また、その過程において経営企画も兼任し、経営の一部としてマーケティングを設定しながら、かつ営業部隊にも入り込みながら仕組みを立ち上げました。

──2024年に向け見えてきた課題はなんですか。

マーケティングの役割は幅広く、企業がおかれている環境とステージによって変わる経営課題にいかに貢献するかが必須だと考えていますが、各成長ステージにおいて拡大すべきマーケティング領域、及び組織拡大のバランスをどうとるのかが難しい課題だと考えます。中小企業が発展していく過程でこの経営リソースの配分を間違えると、大企業とは違い、一気に経営が傾くことを前提に考慮すると、計画を立てることは簡単でも、意思決定するタフさを感じます。

──2024年にチャレンジしたい取り組みを教えてください。

上述の課題の克服となりますが、やはりもっとも重要なのは経営リソースの配分だと考えていますので、経営企画視点からのリソース配分、またマーケティング組織における短期的目標達成のための費用配分最適化に取り組みたいと考えています。一方で、フロー指標に表れないストックをいかに表現し、経営に結び付けていくかについてもチャレンジしたいと思います。もちろん、その過程においてデータの蓄積とポストCookieやAI活用など、デジタルマーケティング分野の知見の蓄積と実践は重要な分野のひとつとしてとらえています。 ・年末年始企画「IN/OUT 2024」の記事一覧 Edited by DIGIDAY［日本版］編集部