Jaguarの新EVコンセプトカー。リアガラスを排除したデザインに賛否
これがJaguarなの!という衝撃も相まって。 Jaguar(ジャガー)が次世代EVのコンセプト「Jaguar Type 00」を公開しました。つい先日新たなブランドコンセプトを発表したばかりのJaguarが、さらに具体的な車の形で、新機軸を打ち出したんです。 【全画像をみる】Jaguarの新EVコンセプトカー。リアガラスを排除したデザインに賛否 今までのJaguarといえば、(車種にもよるけど)曲線的なデザインでクラシックなイメージがあったんですが、Type 00はすごくフラットでモダンな感じです。色も「ロンドン・ブルー」に「マイアミ・ピンク」というパステル調で、従来のエレガント路線とは一線を画しています。 それにしても何だかのっぺりしてて、何か足りない…と思ったら、リアガラスがないんです。デザイン的に、なるべく途切れのないつながった面で構成することもこだわりポイントだったみたいです。
リアガラスの代わりにカメラを
でもこれ、後ろが見えなくて大丈夫?と思いきや、後方確認はカメラ+車載ディスプレイでできるからOK、とのこと。車体側面にJaguarの象徴である「リーパー」(飛び跳ねるジャガー)を彫り込んだ小さなプレートが付いてるんですが、そこにカメラが内蔵されてて、後方の映像をルームミラー代わりの「Clearsight」なるディスプレイに表示するんです。 リアガラスのない車は他にもすでにあって、たとえばボルボ傘下のEV、Polestar 4やPolestar 5が同じような仕組みを採用しています。Polestar 4は今年1月から販売開始されたのでまだ1年くらいしか経ってはいませんが、これまでリアガラスがないことで問題になってはいないようです。
とはいえ不安、の声も
ただこのデザインに対し、懐疑的な声も聞こえます。米GizmodoのMatthew Gault記者は、車のいろんなアナログ機能がどんどんデジタル化されてしまう風潮や、デジタルであるがゆえにバグなどで肝心なときに動かないといった懸念を指摘しています。 米Gizmodoのコメント欄にも、「遠近の焦点合わせるのがつらい。フロントガラスの向こうはそこそこ距離があるのに、後方を見るディスプレイは至近になる」「後続車から見ても、リアガラスがある方がその先が見やすくて安全」といった意見が集まっています。Jaguarブランド全体の刷新も物議を醸しているところなので、その流れで燃えやすくなってるってこともあるのかもしれません。 筆者個人としては、運転するとき後続車の動きも気になる方なので、後方を目視できないと乗り心地がだいぶ変わるだろうとは思います。ただそもそも車の後ろって、リアガラスがあっても死角のほうが大きいので、広角カメラで撮ってくれるんならそのほうが安心な気もします。 今回発表されたのは、あくまでコンセプトのみで、新たな方向性を示すためのものです。プロダクションモデルは2025年後半に発売される予定ですが、そのときにはもっと穏当な感じに収まって、リアガラスも結局あったりするのかもしれません。 Source: Jaguar via Gizmodo US
福田ミホ