住宅ローンを今借りるなら変動か固定か? 住宅価格高騰と追加利上げ局面で選ぶべき金利タイプとは
まとめ~変動金利か固定金利かは、メンテナンスのコストも考えて判断する
3月の植田日銀のマイナス金利政策解除によって、今のところは住信SBIネット銀行とイオン銀行が変動金利の基準金利を0.1%上げた程度にとどまっており、大半の銀行は横ばいとしています。 だからといって、今後も変動金利は上がらないかも? と期待するのは楽観的すぎるでしょう。 植田日銀の狙いは金融政策の正常化ですから、残り4年の任期の間にできれば複数回の利上げを行い、短期政策金利をコントロール可能で、景気を冷やしもせず過熱もさせない自然利子率の水準にしたいと考えていると見ています。 次の追加利上げからは、いよいよ民間銀行も変動金利の店頭基準金利を上げてくる可能性があります。 しかし、内閣府が5月16日に発表した「1~3月期の国内総生産(GDP)速報値」は物価変動の影響を除いた実質が、前期比で年率換算2.0%減と2四半期ぶりのマイナスになったことが報じられています。景気への影響を鑑みると、短期的に連続利上げを断行するとは考えにくいです。ただし、これはあくまで数カ月~1年程度のスパンで予想される動向です。 一方で、住宅ローンは35年の長期にわたるものです。変動金利を選ぶということは、金利が上がる度に「毎月の返済にいくら影響するか?」そして「総額ではいくら増えるのか?」というチェックを、その都度行うことが必要になってくるのです。 変動金利には、そうしたメンテナンスに手間がかかるので金利が安い。対して固定金利は、ある程度楽ができるので高いのだとも言えるのですね。
千日太郎