国内企業が“瞑想”を取り入れてもパッとしない訳 日本人の行動力を上げる「新マインドフルネス」
「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種。 「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」 「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう! そんな方が多いのではないでしょうか。 そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。 【図解でわかる】行動するための「新しいマインドフルネス」
著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける=モメンタム」の要素も多く含まれていると言います。 以下では、「なぜ日本人はマインドフルネスで行動できないのか?」について解説します。 ■「禅」から切り離された「行動力」の要素 マインドフルネスの源流である禅の修行には、モメンタム(=心の勢い)の要素が含まれています。
しかし、ここで疑問が生じます。 これまでに欧米で開発され、心理療法の分野で、あるいはIT分野をはじめとする大手企業で導入されてきたマインドフルネスは、リラックスと注意力のコントロールに主眼を置いた手法であり、モメンタムの要素はさほど重視されていないように感じられます。 なぜ、マインドフルネスとモメンタムは、切り離されてしまったのでしょうか。 私の推測は「禅や瞑想といった仏教瞑想に科学のメスを入れ、欧米文化に馴染み、多くの人が親しめるストレス低減法にするため、宗教的要素を取り除く必要があった」というものです。
宗教としての禅には、一般の人にはわかりにくい部分がたくさんあります。 例えば禅は、「何かのために」修行することをよしとしません。 後述するように、マインドフルネスには「気持ちが落ち着く」、多くのメリットがあります。 その一つがモメンタム的な要素です。 ■日本人が瞑想で行動的にならない理由 しかし、「~のためにマインドフルネスをする」という目的意識があまり強いと、「今、この瞬間」に意識を集中できません。