ジャンルに特化することが吉? アイドルの個人SNS炎上で浮彫になる「生」で発信する難しさ
今やアイドルの活動においても必須となっているSNS。インスタ、X、TikTokなどでさまざまな発信がされているが、これまで一定を保っていたファンとの距離感が一気に詰まる現象が発生。これにファンが喜ぶこともあれば炎上やコミュニケーションの齟齬といった弊害も起き、SNSでの発信の難しさをあらためて浮き彫りにしている。ネガティブな要素を最大限におさえるには、どのような戦略が必要なのか? 【写真】詳しすぎる美容知識に会場ざわつく…千賀健永、初プロデュースのフェイスパック
■アイドルたちの“個人SNS”が続々解禁、図らずも起こる炎上
メディアの多様化により、芸能人やアイドルらとSNSとの親和性は必要不可欠になってきた現在。これまでインターネットと距離をとっていたSTARTO ENTERTAINMENTのタレントたち、過去に事務所に所属していたタレントたちも“個人SNS”を徐々に解禁し、ネットメディアでも「解説○日間で○○フォロワー」などと話題になり、ファンらが一喜一憂している。その多くは、“国民的なタレント”であり、崇拝していたアイドルが市井に降りてきた衝撃や「こんなに近い存在になってくれているんだ」という期待を寄せるものだった。 だがその“距離感”が多く火種のもとにもなっている。タレント側としては、これまで一定の距離感を保ってきたが、ファンとの距離が一気に詰まることで、例えば作り上げてきたイメージから逸れた発信をすると炎上の対象になってしまう。ファン側においても、距離感が近くなった半面、これまで作りあげてきた強固なイメージがあるため、その枠から外れた印象を受けた際のショックが大きい。「こんな人だったんだ」と冷める瞬間が確実に増えている現状があるのだ。 「互いにその距離感がつかめないのと同様に炎上後の対応にも慣れていない印象」と話すのは法律事務所への取材やネットの誹謗中傷やインフルエンサーらの実情などに詳しいメディア研究家の衣輪晋一氏。「生田斗真さんや平野紫耀さんらも炎上しましたが、そのハレーションはあまりにも大きく、想像を超えて叩かれ続けたのも記憶に新しいところ。 これらの背景について、過去にひろゆきさんにお話を伺ったところ、『最初の炎上は小さい。それを様々なメディアが取り上げ、大きくしている』と解説されていました。また炎上ネタを解説するYouTuberもおり、様々な視点で言葉尻をとらえて拡大解釈する投稿も。昨今はXでも収益化できるようになりましたから、さらに炎上しない発信が求められることになります」 そもそもSNSとは、個人の主義主張を自由に発信する場であり、いわば独り言をつぶやく場。タレント側には自らの脳内を明かすなかで「本当の姿を見てほしい」「受け入れてほしい」葛藤もあるだろうし、ファンとしては、距離感が近くなったとしてもアイドルはアイドルだから相応の振る舞いをしてほしい、理想の姿から逸脱した姿は見せてくれるなという想いもあるだろう。