北陸新幹線の延伸ルート論争 「敦賀-京都-新大阪の速達性」か「10年で完成する災害時の補完路」か
そんな中、かつて「工期10年」と試算された、米原駅(米原市)で東海道新幹線に接続する「米原ルート」を求める声が再燃している。交通政策に詳しい京都大名誉教授の中川大・富山大特別研究教授は「どのルートが良いと言う立場ではない」と前置きしつつ、「リダンダンシーの意味においては、米原ルートの方が早く達成できる可能性が高い」とする。 さらに、中川教授によると東海道新幹線が災害などで不通になった場合、北陸新幹線の車両が米原駅から東海道新幹線に乗り入れることが可能になっていれば、東海道新幹線の車両も使用でき大幅に運行本数を増やせるメリットもあるという。 ただ、米原ルート案は8年前、退けられた経緯があり、与党整備委の西田昌司委員長(参院京都選挙区)は「そもそも実現可能性がない」と一蹴する。