働き控え増える恐れも…生涯現役目指す高齢者に“年金50万円の壁” 専門家は「就労意欲と人手不足の双方に負の影響」
安藤さん: 「楽しいですよ。好きなことをやっているもんで。年金だけだとなかなか生活も厳しいもんで、働いて収入も必要かなと」 従業員は約1350人で、60歳以上の従業員は現在およそ50人ですが、2040年には170人に増える見込みです。 オティックスの中村守道総務人事部長: 「われわれは『60歳の崖』という表現をしていたんですけど。『なんで同じ仕事をやっているのに給料が下がるんだよ』というのに対して、59歳の時と同じとまではいきませんけど、他社さんと比べても遜色ないように設定させていただいています」
■専門家「50万円の壁は高齢者と企業双方に負の影響」
待遇を見直しても懸念されるのが「年金の壁」です。現在63歳の菊永弘幸さんは夜勤なども行っていて、年金の受給が始まると50万円の壁に達する可能性があります。
菊永さん: 「やっぱり(壁は)なくしてほしいなと思いますけど。(再来年は)考えちゃうかも分からないですね。働いて年金がカットされるなら辞めようかなとか。(時間の)融通が利くなら、上の人と相談してやりたいなとは思いますけど」 中村守道総務人事部長: 「組織運営をする上では(50万円の壁)廃止もしくは引き上げについて、どちらかというと賛成ですかね。65歳以上でも技能を持った方、元気な方に働いていただこうと会社が舵を切った時に、今の『50万円の壁』は越えてくる可能性がありますので」 高齢者の働き控えを防ぐため、見直しが検討される年金50万円の壁。専門家は…。
第一生命経済研究所の谷口智明研究員: 「『年金50万円の壁』というのは、高齢者の就労意欲と企業の人手不足、双方に負の影響を与えているのではないかと考えられております。そういった背景から、今回この見直しをしようという動きにつながっていると思います」